夫婦と結婚にまつわる故事成語

故事成語を知る辞典 の解説

夫婦と結婚にまつわる故事成語

結婚式のことを指してよく使われる「華燭の典は、中国の詩や文章で古くから使われている表現。残念ながら、その由来を特定することはできませんが、故事成語一種だと考えてもよいでしょう。

■昔から、結婚は人生の一大事。そこで、結婚や夫婦関係にまつわる故事成語も、たくさんあります。

■夫婦仲がよいことを表す故事成語としては、「鴛鴦の契りや、「比翼の鳥が有名です。ただ、どちらも現世では添い遂げられなかった夫婦についての物語を背景としているので、結婚式のスピーチなどで用いる場合は、注意が必要。そういうことを気にせずに使える故事成語としては、「琴瑟相和すがあります。

■将来、夫婦となるように定められている二人のつながりを、「運命赤い糸」と言うことがありますが、これも、実は、中国の古い物語に由来する表現。「赤縄という故事成語になっているその物語では、天界からやってきた不思議な老人が、将来、夫婦となるべき男女の足を、赤い縄で結びつけていくと語られています。

一方、「筒井筒は、日本の「伊勢物語」から生まれた故事成語。背丈のくらべっこをした幼なじみの男女が、やがてお互いを意識して夫婦になる、という甘酸っぱい物語です。

■ところで、夫婦関係というものは、いつもうまくいくとは限りません。「琴瑟相和す」からも、夫婦関係がうまくいかないことを表す「琴瑟調わずということばが、派生しています。

離婚を意味する故事成語としては、「破鏡があります。これは、愛の証として鏡を半分に割り、片方ずつを持っていた夫婦が、あるとき、その鏡によって相手の浮気を知る、というお話から。復縁することを「破鏡再び合う」、復縁しようとしてうまくいかないことを「破鏡再びは照らさず」といいます。

■現在では、取り返しがつかないという意味で広く使われている「覆水盆に返らずも、もともとは、離婚した夫婦のお話に由来する故事成語。自分から出て行った妻が復縁を求めてきたとき、夫は、水の入った容器を傾けて水をこぼして見せ、この水と同じように、二人の関係ももう元には戻せないのだ、と示したということです。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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