比翼(読み)ひよく

精選版 日本国語大辞典「比翼」の解説

ひ‐よく【比翼】

〘名〙
※将門記承徳三年点(1099)「将門に睦びて、芳操(さう)を花夷に通じ、比翼(ヒヨク)を国家に流(つたへ)むと」
② 衣服の縁の表に見える部分だけを重ね着のようにして、中は一枚にしたもの。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「あひ着はずっと茶返しの比翼(ヒヨク)で緋縮緬の繻絆」
※浄瑠璃・伽羅先代萩(1785)道行「ふたりしっぽり抱柏、返事菊蝶ひよくにぬはせ」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「比翼」の解説

比翼
ひよく

比翼仕立のこと。 (1) 和服襲物 (かさねもの) の仕立て方の一種。表に見える部分 (袖口回し) だけを重ね着に見えるように,別布で上着につけて仕立てる方法。人形仕立ともいう。 (2) 洋服の前打合せの仕立て方の一種。上前のを2重につくり,その間にボタンを通して留めるため,表からボタンが見えないようになっている。一般にオーバーコートレインコートマントジャケットなどに用いる。

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百科事典マイペディア「比翼」の解説

比翼【ひよく】

比翼仕立ての略。1枚の着物が二枚重ねにみえるような仕立方。袷(あわせ)長着の(えり),裾(すそ),袖(そで)口,振りなどに下着の布を重ねて縫いつけた付け比翼と,比翼布をはさみ縫いした本比翼がある。着付が簡単で布の節約にもなるので礼服に多く利用される。また洋服のボタンを表に出さない仕立方もいう。
→関連項目

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