奇応丸(読み)キオウガン

デジタル大辞泉 「奇応丸」の意味・読み・例文・類語

きおう‐がん〔‐グワン〕【奇応丸】

熊の主剤とした丸薬腹痛霍乱かくらん小児の虫などに用いた。

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精選版 日本国語大辞典 「奇応丸」の意味・読み・例文・類語

きおう‐がん‥グヮン【奇応丸】

  1. 〘 名詞 〙 奈良東大寺にはじまり、後全国で作られた熊胆(くまのい)を主剤とした丸薬。小児の虫押えや、女の癪や腹痛にきく家庭常備薬であった。江戸では幕医多紀氏調剤で、両国柳原同朋町敬心院で売り、後、日本橋白木屋などでも発売した。
    1. 奇応丸〈続膝栗毛〉
      奇応丸〈続膝栗毛〉
    2. [初出の実例]「奇応丸 治食毒霍乱腹痛」(出典雍州府志(1684)六)

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百科事典マイペディア 「奇応丸」の意味・わかりやすい解説

奇応丸【きおうがん】

漢方薬。薬名の由来古く室町時代より奈良東大寺に伝わる。江戸時代には戯作者曲亭馬琴も奇応丸を製造販売していた。内容的には人参チョウセンニンジン),沈香麝香(じゃこう),熊胆(ゆうたん)などが処方され,腹痛,食傷吐き気嘔吐(おうと),小児神経過敏症などに用いた。
→関連項目熊の胆

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