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嫡出否認の訴え てきしゅつひにんのうったえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

嫡出否認の訴え
てきしゅつひにんのうったえ

嫡出否認の訴え」のページをご覧ください。

嫡出否認の訴え
ちゃくしゅつひにんのうったえ

夫が子の嫡出性を否定するために起こす訴え婚姻中の夫婦の間に出生した子は嫡出子推定されるが,この推定を破るためには,夫がこの訴えを起こさなければならない(民法774,775)。嫡出否認の訴えは,夫が子の出生を知ったときから 1年以内にかぎられる(777条)。夫が成年被後見人(→成年後見制度)のときは,後見開始の審判の取り消し後,夫が子の出生を知ったときからこの期間を起算する(778条)。訴えの相手方は子または親権を行なう母であり,母がいないときは特別代理人を相手方とする(775条)。訴えの審理は家事事件手続法によって行なわれ,裁判所の職権探知も許される(56条1項)。なお夫が死亡した場合には,例外的に夫の 3親等以内の血族(→姻族)が嫡出否認の訴えを提起することができる(人事訴訟法41)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

嫡出否認の訴え
ちゃくしゅつひにんのうったえ

夫の嫡出子であると推定される子(民法772条)について、その推定を覆し、夫が自分の子ではないと主張するために提起する訴え。妻の生んだ子で、夫の嫡出子となっていても、その実、夫の子でない場合、夫はその関係を否認することができる。嫡出子のうち、いわゆる「推定されない嫡出子」の場合は、親子関係不存在確認(しんしかんけいふそんざいかくにん)の訴えによって、比較的容易にその関係を否認できるが、「推定された嫡出子」すなわち、婚姻後200日後、婚姻解消・取消し後300日以内に妻が生んだ子については、「嫡出否認の訴え」という、かなり厳重な制限された方法によってしか否認できないこととされている。すなわち、この訴えができるのは夫だけであり(民法774・775条)、夫は、子の出生を知った日から1年以内に訴えを起こさなければならず(同法777条)、1年以内でも、子が嫡出であることを認めたら否認することができなくなる(同法776条)。もっとも出生届を出すことは、それだけでは認めたことにはならない。なお、夫が成年被後見人である場合は、成年後見人がかわりに否認の訴えを提起することができる。また、夫が死亡している場合は、その子のために相続権を害せられる者その他夫の3親等内の血族に限り否認の訴えを提起することができる。訴えの相手方は子または親権を行う母である。手続は、まず家庭裁判所の審判により、それができないときは地方裁判所の判決による。[山本正憲・野澤正充]

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世界大百科事典内の嫡出否認の訴えの言及

【嫡出子】より

…この結果,嫡出子が,〈推定を受ける嫡出子〉と〈推定を受けない嫡出子〉とに分かれる。
[嫡出否認の手続]
 推定を受ける嫡出子について,その嫡出性を否認するためには嫡出否認の訴えによらなければならない(民法775条)。この訴えは夫だけが提起することができ(民法774条,ただし,人事訴訟手続法28条,29条),しかも,夫が子の出生を知ったときから1年以内に訴えを提起しなければならない(民法777条,778条)。…

※「嫡出否認の訴え」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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