子供組(読み)コドモグミ

デジタル大辞泉 「子供組」の意味・読み・例文・類語

こども‐ぐみ【子供組】

年齢集団の一。7~15歳ぐらいの年齢の者が、年中行事祭礼の際に集まって組を作り、年長者指揮もと一定の村仕事に従事する。

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精選版 日本国語大辞典 「子供組」の意味・読み・例文・類語

こども‐ぐみ【子供組】

  1. 〘 名詞 〙 年齢集団の一つで、ふつう七歳から一五歳くらいの子どもの組織。祭礼などに活躍する。

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改訂新版 世界大百科事典 「子供組」の意味・わかりやすい解説

子供組 (こどもぐみ)

村落や,都市のうちでも伝統のある古い町の内部で,地域的に,しかも行事のつど随時編成される子どもの年齢集団。若者組娘組が存在した時代には,それらの下位に属した。呼称としては,子供仲間,小屋仲間,あるいは行事にちなむ塞の神(さいのかみ)仲間,天神講などがあるが,特定の呼称をもたない例もある。また6,7歳から14,15歳までの,すべての男児によって構成されるのがふつうだが,ときには女児が混じる型もみられる。役員としては,年長の一人の男児が頭(かしら)とか大将として集団を統率するものと,まれには,一部の若者組にみられるように,頭のほかにも数名の役員をおく例とがある。集団内は,子どもなりに年配序列が守られているが,明確な年齢階梯制を示すものは少ない。子供組がたずさわる行事は,小正月,天神講,七夕,盆,十五夜,十日夜(とおかんや),亥子(いのこ)など,地域社会の年中行事や祭礼である。しかし,子どもがおとなや若者に付随して参加する行事は,氏神祭祀のように地域社会で現実的な機能を果たしているものであるのに対し,子供組が主宰するものには民間信仰が衰退して遊戯性を帯びた行事が多い。小正月に各戸を祝福して餅などをもらい歩く行事や,同じくドンド焼(左義長)などの火祭などにそうした傾向がみられる。ただし一面では,子どもが神の尸童(よりまし)となる信仰の系譜も考慮する必要がある。なお小正月の行事には,一時的な小屋(こや)の建設とそこでの生活を伴うのがふつうである。こうした行事は,慣習や伝承にもとづいて自主的に運営されるとはいえ,若者組の最年少者の指導を受けたり,主婦などおとなの援助や助言を得て行われることも少なくない。いずれにしても子供組は,集団生活や地域社会の慣習を学習する機能を有していたが,現代では衰退の度を強め,消滅するか,あるいは子ども会へと変貌し,伝統的な性格を保持するものはきわめてまれとなった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「子供組」の意味・わかりやすい解説

子供組
こどもぐみ

集落内部に結成される伝統的な子供仲間、集団。集落(ムラ、町内)の年齢階梯(かいてい)組織の初段階として、「若者組」に連絡する形を通例もっている。加入年齢は男子7歳前後から15歳(成年)までで、だいたい伝統的な祭祀(さいし)行事の一部を専担する形で久しく存続してきたが、日常的な集団行動はほとんどない。女子の仲間は一般的ではないが、盆行事、花見、雛(ひな)送り、七夕(たなばた)行事などに独自の仲間ができる場合がかなりあって、そこでも13歳(成女)までという形が一般的である。子供組の担当行事は正月の火祭、道祖神祭、鳥追い、盆火、山神祭、牛神祭、天神祭、亥(い)の子行事等々地方ごとに多彩を極めるが、多くは別小屋を設け、独自に行事を行う形で、おおむね年序規制による自治的行動をとっていた。また村祭その他でも子供組独自の分担をもつ場合が少なくない。ともかく少年団、子供会などの新組織の生ずる以前に、村行事の一部分担を通じてこうした子供仲間が久しく存続し、その伝統は近年になお及んでいた。

[竹内利美]

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百科事典マイペディア 「子供組」の意味・わかりやすい解説

子供組【こどもぐみ】

村落の子供が結成する年齢集団。7,8歳は新参,見習。14,15歳は大将,頭(かしら),親方などと呼ばれ指導権をもつ。次の年齢集団の若者組への予備段階として子若連中ともいい,左義長(さぎちょう),鳥追などの年中行事や祭に参加,ときに主宰する。
→関連項目

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「子供組」の意味・わかりやすい解説

子供組
こどもぐみ

普通7歳から 13~14歳までの少年で構成される,村の伝統的な年齢集団の一つ。子供連とかオンベ仲間などと呼ばれ,15歳になると加入する若者組の準備段階となっていた。多くは男の子の集りで,年齢序列による一種の自治組織をもち,最年長者が頭,大将などになり,次に小頭,二番大将と順に役目が決っていた。平常は遊び仲間で,小正月のドンド焼き (→左義長 ) や祭礼などのときに団結して行事を行う。女の子の組は盆行事,雛祭などにみられたが,一般的ではなかった。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「子供組」の解説

子供組
こどもぐみ

村の特定の年中行事や祭事に関連して形成される子供の年齢集団。7~14歳くらいまでの男子で構成される例が多い。若者組とは異なり,恒常的な組織をもたず,村内の小地域ごとに構成される。ドンド焼きなどの行事を主催する際,青年層の指導をうけるだけでなく,行事のなかで一時的な小屋生活を経験したり,組のなかの最年長者を頭とする統制的な仕組みがあるなど,社会生活を模倣し,一人前の村人となるための教育的な機能もあわせもつ。

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世界大百科事典(旧版)内の子供組の言及

【子ども(子供)】より

… 子どもが7歳までの幼児と異なる点は男女の区別が明確に存在したことである。7歳から15歳までの子どもは全国的に子供組として組織されたが,その子供組は通例男子のみの組織であった。また,男子は天神講,女子は弁天講と,別の集会をもっている所もある。…

【子ども会】より

…〈少年団〉と類似しているが,組織の対象,目的,内容,形態,育成主体の諸点においてより多様性をもち,地域網羅的性格に特色をもつ。子ども会の原形は,古くは村落共同体の子供組や子供衆などの慣習的な子ども集団の中にみることができる。明治末期から大正時代にかけて,資本主義経済の発展にともなう地域社会の変化と学校の校外指導の強化により慣習的な子ども集団は衰退するが,宗教団体による日曜学校の普及やボーイ・スカウトピオネールなど目的的な少年団体,組織が紹介される中で,子ども会に対する教育・文化面での意義が自覚された。…

【年齢集団】より

…なお,中年階梯はこの二つの型では,独自の階梯としてはあまり機能せず,それぞれ若者階梯か長老階梯に結びつく形で組織されることが多い。また少年組,子供組が一つの階梯として機能する例は小正月などの各地の年中行事にしばしばみられる。女子の年齢集団としては娘組,嫁組,主婦組,婆組などがあるが,男子ほど組織だっていない。…

※「子供組」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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