定田(読み)ジョウデン

デジタル大辞泉 「定田」の意味・読み・例文・類語

じょう‐でん〔ヂヤウ‐〕【定田】

中世荘園国衙こくが領で、年貢公事くじ対象となる田地。⇔除田

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精選版 日本国語大辞典 「定田」の意味・読み・例文・類語

じょう‐でんヂャウ‥【定田】

  1. 〘 名詞 〙 耕作田のうち、除田(じょでん)をのぞいた、年貢・課役の対象となる土地。定田の中には、領主が直営する佃(つくだ)と、名主作人に耕作させて年貢米(官物米)を徴収する官物田とがある。
    1. [初出の実例]「残定田五百八十丁二反半内」(出典:高野山文書‐建久元年(1190)六月日・僧鑁阿置文)

てい‐でん【定田】

  1. 〘 名詞 〙じょうでん(定田)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「定田」の意味・わかりやすい解説

定田
じょうでん

荘園制で年貢公事徴収の対象となる田地。寺田神田荘官給田その他公事免除の除田に対することば。領主直轄のと一般官物田とがある。平安時代末期以後,在地土豪が荘官に起用され,その給田が除田になり,定田と区別するため,検注帳 (→検注 ) に具体的に記載された。

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旺文社日本史事典 三訂版 「定田」の解説

定田
じょうでん

荘園領主国衙 (こくが) の年貢課役の対象となる田地
荘園・公領内の土地で,荒田・神田・寺田・給田など,年貢・公事を免除される除田以外の田地をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の定田の言及

【検注帳】より

…以上の除田の合計を,総額から差し引くと,徴税可能の田数が明らかになる。これを〈定田〉と称する。つまり目録は,検注帳ではわからない定田の実態を把握するのが目的であったと考えられる。…

【荘園】より

… 平安末期から鎌倉前期の荘園公領制の確立過程で,荘園支配者にも交替はあったが,そのつど行われた検注により,個々の荘園の体制も確立していった。西国の場合,荘園の田地は田代・年荒・常荒等の荒田(こうでん)と,見作田(げんさくでん)に区分され,見作田から損田・川成(かわなり)・不作が差し引かれた上で,除田(じよでん)と定田(じようでん)に分けられる。年貢・公事の免除された除田は,荘内の神田寺田,地頭・預所・下司・公文・田所・惣追捕使等の荘官,鍛冶・番匠等の職人の給免田(人給)からなり,定田(公田ともいわれる)はその主要部分が,しばしば均等な面積をもつ百姓名(平民名,土名)に結(ゆ)われ,おもだった平民百姓たちがそれを請け負って年貢・公事負担の責任を負った。…

※「定田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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