小人閑居して不善をなす(読み)しょうじんかんきょしてふぜんをなす

精選版 日本国語大辞典 「小人閑居して不善をなす」の意味・読み・例文・類語

しょうじん【小人】 閑居(かんきょ)して不善(ふぜん)をなす

  1. ( 「礼記大学」の「小人間居為不善、無至」による ) 徳のない、品性の卑しい人は暇であるととかく良くないことをする。
    1. [初出の実例]「小人閑居して不善をなすとは、此閑居の見通しなるべし」(出典:俳諧・本朝文選(1706)三〈汶村〉)

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ことわざを知る辞典 「小人閑居して不善をなす」の解説

小人閑居して不善を為す

小人物は暇がたっぷりあると、とかくよからぬことをする。

[使用例] 従来の日本の社会では、充分に使うことのできる余暇を持ち、人生をエンジョイすること自体が悪徳とされてきた。〈略〉「小人閑居して不善をなす」などと、仕事から解放された時間そのものが、ろくな結果を生まないかのように考えられてきた[盛田昭夫学歴無用論|1966]

[解説] 「礼記―大学」にあることば。「小人」は品性のいやしい人物。「君子」に対していう語。

英語〕Doing nothing is doing ill.(何もしないことは悪事を働くこと)/An idle brain is the devil's workshop.(怠け者の頭は悪魔仕事場

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故事成語を知る辞典 「小人閑居して不善をなす」の解説

小人閑居して不善をなす

つまらない人物は、暇ができると悪いことをしがちである、ということ。

[使用例] 小人閑居して不善をなすということわざがあるが、私のような君子は、『ソノ赴ク所ニ楽シミヲ求ム』ことができるのである[遠藤周作*ボクは好奇心のかたまり|1976]

[由来] 「礼記―大学」の一節から。「小人閑居して不善をす」のに対して、「君子」は一人でいる時でも行いに気をつける、と述べています。

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