小侍従(読み)コジジュウ

デジタル大辞泉 「小侍従」の意味・読み・例文・類語

こじじゅう【小侍従】

平安末期の女流歌人石清水いわしみず八幡宮別当紀光清の娘。二条天皇、のち高倉天皇に仕えた。平家物語月見の章に、藤原実定との和歌贈答により「待宵まつよいの小侍従」とよばれた挿話がある。家集小侍従集」。生没年未詳。

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朝日日本歴史人物事典 「小侍従」の解説

小侍従

没年:建仁2頃(1202)
生年:保安2頃(1121)
平安末期・鎌倉初期の歌人。父は石清水八幡宮別当紀光清,母は菅原在良の娘で花園左大臣家小大進。父母ともに勅撰歌人である。中納言藤原伊実の妻となるが,40歳ごろ死別。二条天皇,太皇太后宮多子,高倉天皇に仕え,治承3(1179)年出家した。平経盛,源頼政・師光,藤原実定・隆信などの歌人と交渉があり,諸家の歌合に参加。殷富門院大輔と共に当代女性歌人の双璧とされた。歌風は華やかで,返歌の才に優れていたという(『無名抄』)。『平家物語』月見の段に語られる和歌説話で知られ,「待宵の小侍従」と称された。晩年は後鳥羽院歌壇に連なり,『正治初度百首』『千五百番歌合』に出詠した。家集『小侍従集』がある。

(田仲洋己)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小侍従」の解説

小侍従(1) こじじゅう

?-? 平安後期-鎌倉時代の歌人。
近衛(このえ)天皇の皇后藤原多子(たし),のち高倉天皇につかえる。徳大寺実定(さねさだ)らとしたしく,源頼政との恋愛歌で知られる。治承(じしょう)3年(1179)出家。家集「小侍従集」があるほか,「千載(せんざい)和歌集」などの勅撰和歌集に54首収録されている。待宵(まつよいの)小侍従ともよばれる。
格言など】待つ宵にふけ行く鐘のこゑきけばあかぬ別れの鳥は物かは(「新古今和歌集」)

小侍従(2) こじじゅう

清原マリア(きよはらの-マリア)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小侍従」の意味・わかりやすい解説

小侍従
こじじゅう

平安時代末期の女流歌人。建仁1 (1201) 年に 80歳ぐらいで生存。石清水八幡宮別当紀光清の娘。二条天皇,太皇太后宮に仕えた女房。歌集『小侍従集』。

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