尾上多見蔵（読み）オノエ タミゾウ

新撰 芸能人物事典 明治～平成

尾上 多見蔵(3代目)
オノエ タミゾウ

職業

歌舞伎俳優

本名

吉川 鶴之助

別名

初名=坂東 鶴之助,前名=尾上 多見之助,俳名=梅笑

屋号

音羽屋

生年月日

慶応2年 1月6日

出生地

京都府 四条室町

経歴

紀州藩士・吉川東蔵の子として京都で生まれる。幼くして5代目坂東彦三郎の養子となり坂東鶴之助を名乗り、明治3年京都・南座で初舞台を踏む。7年2代目尾上多見蔵の門弟となり尾上多見之助と改名。20年大阪・角座の「妹背山の実録」に三輪の君を務め、名題に昇進。立役として京都・大阪・東京の舞台で名声を高め、大正7年大阪・浪花座で3代目多見蔵を襲名。女形を兼ね実事・武道を得意とし、当たり役は「源兵布引滝」の実盛、「傾城反魂香」の又平、「三代記」の高綱、「矢口」の頓兵衛、「女舞鶴」の板額など。

没年月日

昭和2年 1月7日 (1927年)

出典　日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典　明治～平成」（2010年刊）

20世紀日本人名事典

尾上 多見蔵(3代目)
オノエ タミゾウ

明治〜昭和期の歌舞伎俳優

生年

慶応2年1月6日(1866年)

没年

昭和2(1927)年1月7日

出生地

京都・四条室町

本名

吉川 鶴之助

別名

初名=坂東 鶴之助,前名=尾上 多見之助,俳名=梅笑

屋号

音羽屋

経歴

紀州藩士・吉川東蔵の子として京都で生まれる。幼くして5代目坂東彦三郎の養子となり坂東鶴之助を名乗り、明治3年京都・南座で初舞台を踏む。7年2代目尾上多見蔵の門弟となり尾上多見之助と改名。20年大阪・角座の「妹背山の実録」に三輪の君を務め、名題に昇進。立役として京都・大阪・東京の舞台で名声を高め、大正7年大阪・浪花座で3代目多見蔵を襲名。女方を兼ね実事・武道を得意とし、当たり役は「源兵布引滝」の実盛、「傾城反魂香」の又平、「三代記」の高綱、「矢口」の頓兵衛、「女舞鶴」の板額など。

出典　日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）

朝日日本歴史人物事典

尾上多見蔵(2代)

没年：明治19.3.2(1886)
生年：寛政11(1799)
幕末明治期の歌舞伎役者。俳名松玉。屋号音羽屋。瀬川和市を名乗った子供芝居から名優といわれ,中村和市を経て22歳で江戸に下り尾上多見蔵を襲名。末恐ろしい若者と評された。3年後,帰坂して中芝居で早替わり,「鯉つかみ」などの業で驚かせ,「敵討高砂松」(「研辰」)など新作で当て花形となった。33歳で大芝居に出るや,たちまち大立者となり,三都はもちろん各地に出演。天保改革後は旅で大川八蔵を名乗った。石川五右衛門の宙乗り,葛籠抜けなど,派手な芸風は幕末期の観客の好みに合い,老巧ゆえに「三都随一の親方」,明治期には「総長」と称された。77歳で「石橋」の毛を振った人である。

(青木繁)

出典　朝日日本歴史人物事典：（株）朝日新聞出版

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

尾上多見蔵(2代) おのえ-たみぞう

1800－1886　江戸後期-明治時代の歌舞伎役者。
寛政12年生まれ。大坂芝居の子役で評判となる。3代中村歌右衛門の門下から3代尾上菊五郎の門にうつり,文政3年2代多見蔵をつぐ。江戸と関西の舞台で立役(たちやく)として活躍。明治19年3月2日死去。87歳。京都出身。初名は瀬川和市。俳名は二朝,松玉。号は春風舎。屋号は音羽屋。

尾上多見蔵(3代) おのえ-たみぞう

1866－1927　明治-大正時代の歌舞伎役者。
慶応2年1月6日生まれ。5代坂東彦三郎の門人となり,5歳で初舞台。明治7年2代尾上多見蔵の門弟となる。立役(たちやく)をつとめ,大正7年大阪浪花(なにわ)座で3代を襲名。昭和2年1月7日死去。62歳。京都出身。本名は吉川鶴之助。前名は尾上多見之助。俳名は梅笑。屋号は音羽屋。

尾上多見蔵(初代) おのえ-たみぞう

1754－?　江戸時代中期の歌舞伎役者。
宝暦4年生まれ。花染皆之丞に,のち初代尾上菊五郎に入門。明和6年菊五郎とともに江戸にいき,傾城(けいせい),奥方などを演じた。安永8年多見蔵を名のり,のち京坂の舞台にたった。京都出身。初名は花染民蔵。前名は尾上健蔵,尾上民蔵。俳名は幸朝。屋号は音羽屋。

出典　講談社