届ける(読み)トドケル

デジタル大辞泉 「届ける」の意味・読み・例文・類語

とど・ける【届ける】

[動カ下一][文]とど・く[カ下二]
物を持っていき、先方へ渡す。「お歳暮を―・ける」
学校役所会社上役などに申し出る。届けを出す。「拾得物を―・ける」
受け入れる。承知する。
「其外の事ならば何事にてもうけ給はり、―・けてくれんとある詞に」〈浮・妾気質〉
終わりまでやりとげる。
「御掟ヲタモチ―・クル」〈日葡
[類語]送る送り付ける送り届ける送付する送達する発送する託送する郵送する差し出す仕向ける(便りを)出す寄せる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「届ける」の意味・読み・例文・類語

とど・ける【届】

  1. 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]とど・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
  2. 品物などを先方に持って行く。相手の所に着くようにする。
    1. [初出の実例]「願はくは、送護法迎護法となりて、奥州まで相違なくとどけ給へとぞ祈りける」(出典:義経記(室町中か)七)
  3. 注意して聞いて、受け入れる。聞きとどける。承知する。また、約束などを果たす。
    1. [初出の実例]「女が顧が云ことをきいてととけたぞ」(出典:玉塵抄(1563)四六)
    2. 「ヤクソクヲ todoquru(トドクル)〈訳〉約束を実行する」(出典日葡辞書(1603‐04))
  4. 最後までやり通す。
    1. [初出の実例]「始終をととくるは賢人ぞ」(出典:京大二十冊本毛詩抄(1535頃)一)
    2. 「ゴヲキテヲ タモチ todoquru(トドクル)〈訳〉この掟を固く守り続ける」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  5. 役所・学校・会社の上司などに申し出る。届けを出す。
    1. [初出の実例]「公義の御諚なり。〈略〉ひらに止め給へ。それさもなくは、町中として届(トド)け侍べらん」(出典:仮名草子浮世物語(1665頃)一)

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