山辺町
やまのべまち
面積:六〇・九五平方キロ
郡の南部、山形盆地南西部に位置し、東南は山形市、北は中山町・西村山郡大江町、西は同郡朝日町、南は西置賜郡白鷹町に接する。東部は平地であるが町域の大半は白鷹丘陵が占め、南西に白鷹山(九九四メートル)・西黒森山(八四六・九メートル)・東黒森山(七六六メートル)、西に鳥海山(五三一メートル)がそびえ、この丘陵部より町の東縁部を北流する須川に向かって傾斜をなしている。この傾斜に沿って、玉虫沼を水源にもつ小鶴沢川が東流し須川に注ぐ。また山間部より北流する鵜川(沢上川)は朝日町地内で最上川に注ぎ、丘陵の間には、玉虫沼・大沼などの湖沼群が点在する。JR左沢線が東部の平地を南北に走り、主要地方道山形―朝日線、山形―白鷹線がほぼ東西に走っている。
旧石器時代の遺跡として北山地区の松山遺跡がある。縄文時代の遺跡は中期のものが多く、畑谷・北山・北作など白鷹丘陵山間部にある。弥生時代の遺跡としては、中期の大寺遺跡があげられる。古墳時代では大塚遺跡から四世紀の古代土師器が出土し、大寺地区に築造された坊主窪古墳群の一号墳は六世紀のものと推定され、日本海側では北限の前方後円墳である。北作古墳からは箱式石棺も出土し、終末期の古墳として根際古墳群がある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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山辺〔町〕
やまのべ
山形県中部,山形市の西に接する町。 1896年町制。町域の大半は南端の白鷹山,西黒森山などが連なる丘陵性山岳地帯で,北東部を通る JR左沢 (あてらざわ) 線沿線にわずかに平野が広がる。 1896年町制。 1954年大寺村,中村,作谷沢 (さくやざわ) 村,相模村と合体。中心集落の山辺は中世の城下町として発足。早くから家内工業が発達し,明治初年頃までは蚊帳の製造が行われていた。大正期以降は綿織物の生産に転換,絨毯とメリヤスの生産が地場産業として定着し,特に手織り絨毯で知られる。周辺地域には果樹栽培が普及し,要害 (ようがい) 地区ではキンギョとコイの養殖が行われる。面積 61.45km2。人口 1万3725(2020)。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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