日本歴史地名大系 「山鹿貝塚」の解説
山鹿貝塚
やまがかいづか
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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福岡県遠賀(おんが)郡芦屋(あしや)町大字山鹿字狩尾(かりお)にある縄文時代の貝塚で、早期より晩期まで各時期にわたる。現地は遠賀川の河口に近い響灘(ひびきなだ)に面した砂丘上にあり、北部九州と瀬戸内海系文化の接触、交流を示す多くの遺物を出土し、ほかに人骨18体分が出土している。なかでも1968年(昭和43)の調査時に、縄文後期の土器を伴う砂層中から出土した第2号人と第3号人はともに女性で、仰臥屈葬(ぎょうがくっそう)され、両者の間に挟まれた第4号人は乳児であった。しかも第2号人はサメ歯製の耳飾をつけ、貝輪を右腕に5個、左腕に14個、硬玉の大珠一と鹿角(ろっかく)製垂飾具二を胸にそれぞれ着装していた。第3号人は右腕に11個、左腕に15個の貝輪をはめ、頭に骨製笄(こうがい)2本を飾っていた。しかもこの両者はなぜか鎖骨と胸骨、肋骨(ろっこつ)がなく、第3号人は脊椎(せきつい)骨まで抜かれていた。それらは埋葬後のある時期に抜き去られたらしく、おそらくなにか特別な呪術(じゅじゅつ)的意味があったものとみられている。
[乙益重隆]
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
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