岡田要(読み)おかだよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岡田要」の意味・わかりやすい解説

岡田要
おかだよう
(1891―1973)

動物学者。兵庫県生まれ。幼少のころから生き物に興味をもち、1918年(大正7)東京帝国大学理学部動物学科卒業。短期間同大学の三崎臨海実験所勤務ののち、6年間フランス、イギリス、ドイツ各地の一流動物学者のもとで学び、海産および淡水産の原生動物腔腸(こうちょう)動物、甲殻類、環形動物をはじめ多種の無脊椎(むせきつい)動物の再生および発生や、生態に関する多くの業績を発表した。帰国後、京都帝国大学教授を経て、東京帝国大学教授となる。その間無脊椎動物の実験形態学を門弟と続けるとともに、両生類、主としてイモリ形成体を中心とした実験発生学を精力的に推進したほか、動物の雌雄性の問題にも手を広げた。狭い専門にとらわれず多くの動物学者を育成し、日本の動物学全般の発展に貢献した。日本動物学会会頭を長期にわたって務めたほか、いくつかの関連学会会長、東大理学部長を経て、国立科学博物館長を歴任し、学士院会員に推された。

江上信雄

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岡田要」の解説

岡田要 おかだ-よう

1891-1973 大正-昭和時代の動物学者。
明治24年8月11日生まれ。ヨーロッパ留学後,京都帝大,東京帝大の教授。退官後,国立科学博物館館長,日本動物学会会長をつとめる。発生,再生,性決定など実験動物学の分野で業績をのこした。学士院会員。昭和45年文化功労者。昭和48年12月26日死去。82歳。兵庫県出身。東京帝大卒。著作に「実験発生学」「オスメス」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岡田要」の意味・わかりやすい解説

岡田要
おかだよう

[生]1891.8.11. 兵庫
[没]1973.12.26. 東京
動物学者。東京大学動物学科卒業 (1918) 。京都大学教授 (27~37) ,東京大学教授 (37~53) ,国立科学博物館館長,日本動物学会会頭を歴任。動物実験形態学を研究し,特にネズミについての研究は著名。著書『実験発生学』 (32) ,『遺伝』 (49) ,『ねずみ知恵』 (54) 。

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