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実験発生学 じっけんはっせいがくexperimental embryology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

実験発生学
じっけんはっせいがく
experimental embryology

個体発生の機構がどのような因果関係によって進行するかを研究する生物学の一分科。 19世紀末,W.ルーの発生機構学 (Entwickelungsmechanik) の提唱に始る。さらに,H.ドリーシュ,J.ロイブ,O.ヘルトウィヒなどにより基礎づけられ,20世紀前半に発展した。特に,H.シュペーマンの功績は大きい。分析の方法として,移植,除去,組織培養などが用いられ,また遠心処理,紫外線,レントゲン,薬品の処理なども用いられた。 1930年以後は生化学の影響により化学的研究方法が多く取入れられてきた。動物学の分野で発展し,植物学の分野では遅れている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

実験発生学
じっけんはっせいがく
experimental embryology

生物学の一分野で、主として発生中の動物の胚(はい)あるいは胎児の一部を除去したり他個体に移植したり、または器官培養や組織培養によって培養するなど、実験的手法によって発生の法則を分析的に解析する学問をいう。歴史的には19世紀末よりW・ルー、ドリーシュらによって発展させられた実験機構学をその源流とし、20世紀にはシュペーマン、ホルトフレーターJ. F. K. Holtfreter、W・フォークト、ウォディントンC. H. Waddingtonら多くの実験発生学者が輩出した。元来は各種動物の発生を記述する記載的比較発生学と対比させられたが、近年は生化学および分子生物学の興隆とともに、実験発生学の一部は化学的発生学となり、実験発生学の範囲はしだいに広がりつつある。[八杉貞雄]

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世界大百科事典内の実験発生学の言及

【発生学】より

…実際,このようなあまりにもドイツ哲学に密着して命名されたことは,この発生を実験的に研究する分野のドイツ以外の諸国への普及をいくぶん阻害することになったのは否定できない。ドイツ以外では,この発生過程の要因の実験的研究についての分野は,実験形態学experimental morphologyとか実験発生学experimental embryologyとか呼ぶことによって,古くからある発生学と区別された。 しかし,研究の進歩につれて,純粋に記述だけを目標とした研究は姿を消し,発生についての研究を実験操作をもって行うことは常識化してきたので,上に述べたような歴史的に存在してきた区別はまったく不要となり,生物の発生についての生物学の分野は,1950年代以後は発生生物学developmental biologyという名称で統合されている。…

※「実験発生学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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