川南(読み)かわみなみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「川南」の意味・わかりやすい解説

川南(町)
かわみなみ

宮崎県中部臨海部、児湯郡(こゆぐん)にある。1953年(昭和28)町制施行。西部の尾鈴山麓(おすずさんろく)より洪積台地唐瀬原(からせばる))が広がり、日向灘(ひゅうがなだ)に面する。海岸線は単調である。JR日豊(にっぽう)本線、東九州自動車道、国道10号が通じる。町内各地に「別府(びゅう)」地名が分布し、荘園(しょうえん)時代の開発を示す。江戸時代は高鍋藩(たかなべはん)領。主要な産業は台地畑作畜産で多くが第二次世界大戦後の軍用地開放に伴う開拓入植による。灌漑(かんがい)網も整備され、水田も多くみられる。国指定史跡川南古墳群宗麟原供養塔(そうりんばるくようとう)、国指定天然記念物に川南湿原植物群落がある。面積90.12平方キロメートル、人口1万5194(2020)。

[横山淳一]

『『川南町史』(1983・川南町)』『『川南町開拓史』(2001・川南町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「川南」の意味・わかりやすい解説

川南[町] (かわみなみ)

宮崎県中部,児湯郡の町。人口1万7009(2010)。東は日向灘に面する。近世を通じて高鍋藩秋月氏の支配下にあった。中央部を平田川が東流し,北に唐瀬原,南に国光原の台地が広がる。第2次世界大戦中までは落下傘部隊降下練習場,飛行場など軍用地が多くを占め,戦後に大規模な入植開拓が行われた。畜産を主体に農業が営まれ,米,ミカン,野菜の栽培が盛ん。川南漁港を拠点にして漁業も行われ,就業人口の過半を第1次産業が占めている。農村地域工業導入地区の指定を受けて工業開発も進められている。川南湿原植物群落,川南古墳群(史),宗麟原供養塔(史)があり,宗麟原は大友・島津両氏が1578年(天正6)に戦った古戦場である。海岸線に沿ってJR日豊本線,国道10号線が通る。
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百科事典マイペディア 「川南」の意味・わかりやすい解説

川南[町]【かわみなみ】

宮崎県中部,日向灘(ひゅうがなだ)に臨む児湯(にゆ)郡の町。海岸沿いに日豊(にっぽう)本線が通じる。洪積台地が広く,戦前は軍用地に利用,戦後開拓が進んだ。耕地の70%は畑で,養豚養鶏など畜産,酪農も盛ん。川南古墳群(史跡)がある。90.12km2。1万7009人(2010)。

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