基本的には胎児の発育は遺伝因子と子宮内環境に依存しています。子宮内環境は胎盤の機能に依存しています。たとえば、胎盤を介してのブドウ糖の通過が過剰になると胎児の発育が過剰になります。
巨大児は2つのタイプに分類されます。ひとつは対称性巨大児といわれるもので、遺伝的な結果生じ、正常な子宮内環境下で発育します。胎児は大きい以外に異常を認めません。問題点は分娩時の
もうひとつのタイプは非対称性巨大児といわれるものです。糖尿病の母体から出生した新生児にみられるもので、母体の血糖コントロールが不良な場合に多いとされています。このタイプは臓器の腫大を特徴とし、心臓、肝臓、肺、副腎、
糖尿病の母体から出生した新生児の場合は、呼吸障害、低血糖、低カルシウム血症、多血症、高ビリルビン血症(新生児
母体の合併症の有無、妊娠経過の把握、前記症状の有無の確認が重要です。
重症の低血糖になることがあり、ブドウ糖の輸液が必要になります。呼吸障害に対しては酸素の投与、人工呼吸管理が必要になることがあります。したがって、糖尿病を合併した妊婦では、血糖のコントロールを良好に保つことが非常に重要です。
山崎 肇
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
出生体重の非常に大きい新生児をいう。普通は出生体重4000g以上のものを指す。日本における頻度は約3%である。予定日を超えた出産に多いとは限らず,大部分は予定日前後に生まれた満期産児である。原因は不明であるが,身長・体重の大きい母親から生まれることが多く,巨大児が生まれると次の子どもも巨大児になる傾向がある。糖尿病の母親の子どもは巨大児が多い。巨大児は難産になりやすく,腕神経麻痺,骨折,頭血腫などの分娩外傷を受けたり,仮死状態で生まれることも多く,正常出生体重児と比べると周産期死亡率は高い。巨大児の分娩のときは帝王切開が必要になることもある。巨大児の出生後の発育はいろいろで,標準以上の発育が続くことも,成長するにしたがって標準に近づくこともある。
執筆者:奥山 和男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
マイナンバーカードを利用して、自治体が発行する各種証明書をコンビニやスーパー、郵便局などで取得できるサービス。申請から受け取りまでの手続きがマルチコピー端末で完結する。2023年12月からはマイナカ...
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