出産予定日を超過して在胎43週以上で生まれた過期産児をいう。胎盤機能不全によって分娩の開始が遅れたものと考えられ、医学的には胎盤機能不全症候群に含まれるものが多い。胎盤機能不全症候群は単に予定日超過ばかりでなく、母親の高血圧や性器出血など、多様な原因でもみられるので、過熟児と同義語とはいえない。
過熟児は胎盤機能不全のため子宮内で栄養や酸素の不足に陥り、在胎期間に比し体重の少ない低出生体重児となる。胎盤機能不全の状態を第1期、第2期、第3期に分け、第1期のものは老人性顔貌(がんぼう)、しわの多い皮膚などが特徴であり、第2期および第3期は羊水中に排便した胎児の胎便のため皮膚や爪(つめ)などが緑色に染まる。現在では分娩監視装置が発達したので、第2期や第3期のものはみられなくなった。臨床上特別な治療の必要はない。
なお、紛らわしい用語に巨大児がある。これは、成熟に伴って体重が増加するという考え方から過熟児と同義語にみられやすいが、出生時の体重が4000グラム以上のものをいう。原因は不明であるが、糖尿病の母親から生まれることが多い。難産のため仮死や分娩時の障害をおこしやすい。また、母親が糖尿病の場合は出生後に低血糖をおこしやすい。保育は未熟児に準じて行われる。
[坂上正道]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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