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常磐津林中 ときわずりんちゅう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

常磐津林中
ときわずりんちゅう

[生]天保13(1842).12. 江戸
[没]1906.5.6. 東京
幕末~明治の常磐津節太夫。南部藩士の子。本名山蔭忠助。1世松尾太夫に師事。文久2 (1862) 年2世松尾太夫襲名。 1879年家元未亡人の養子となり,小文字太夫を名のったが,86年に不和離縁。芸名を返上して林中と名のった。いったん郷里盛岡に引退したが,96年に9世市川団十郎の要望で中央芸界に復帰,美声名人芸で人気をさらい,常磐津節の隆盛をもたらした。

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デジタル大辞泉の解説

ときわず‐りんちゅう〔ときはづ‐〕【常磐津林中】

[1843~1906]常磐津節太夫。江戸の生まれ。名人とうたわれた。

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百科事典マイペディアの解説

常磐津林中【ときわづりんちゅう】

常磐津節演奏家の芸名。3世まである。初世〔1842-1906〕は本名山蔭忠助。盛岡藩士の子として江戸に生まれ,幼少からこの道に入り,2世松尾太夫を相続したが,のち林中と改名。
→関連項目常磐津松尾太夫

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世界大百科事典 第2版の解説

ときわづりんちゅう【常磐津林中】

1842‐1906(天保13‐明治39)
常磐津節の太夫。本名山蔭忠助。盛岡藩馬廻役石川清蔵の子。江戸芝桜田久保町に生まれ,山蔭定次郎(三浦藩士とも公家お髪上げともいう)の養子となる。常磐津和登太夫に師事,12歳で小和登太夫を名のる。のち初世豊後大掾(4世常磐津文字太夫)に入門,その没後は初世常磐津松尾太夫に師事,2世松尾太夫を襲名。1879年7月守田勘弥の仲介で家元(佐六未亡人)の養子となり,7世常磐津小文字太夫を相続。82年に岸沢派との和解に成功。

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大辞林 第三版の解説

ときわずりんちゅう【常磐津林中】

1842~1906) 常磐津節の太夫。江戸出身。美声と格調高い芸風で名人と言われた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

常磐津林中
ときわずりんちゅう
(1842―1906)

常磐津節の太夫(たゆう)で、近世の名人とうたわれた。本名山蔭忠助。盛岡藩士石川清蔵の子で、三浦藩士山蔭定次郎の養子となる。初め和登菊(わとぎく)のち、その師和登太夫につき小和登太夫となる。さらに4世文字太夫、初世松尾太夫に師事し、松尾太夫死去後1863年(文久3)2世松尾太夫となる。79年(明治12)、11世守田勘弥(かんや)の世話で佐六文中(さろくぶんちゅう)(4世文字太夫の庶子で6世小文字太夫の通称)の未亡人の養子となり、家元7世小文字太夫となるが、86年に離縁になったので林中と改名。まもなく宮古路(みやこじ)国太夫半中(はんちゅう)を名のり別派を立て、地方巡業を試みたが失敗、郷里の盛岡に引きこもった。しかし1896年、9世市川団十郎に招かれて上京、翌年2月の歌舞伎(かぶき)座で林中の旧名に復して出演、批評家や他流の演奏家にも多大の感銘を与えた。その優れた芸風は当時吹き込みのレコードでしのぶことができる。
 林中の名は3世まであり、2世(?―1919)は、初世の門弟で三味線方の2世文字八が1908年(明治41)に2世を継いだ。3世(1894―1972)は2世の甥(おい)の3世文字八で、2世の立(たて)三味線であったが、1962年(昭和37)3世を襲名、弾き語りを得意とした。[林喜代弘・守谷幸則]

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世界大百科事典内の常磐津林中の言及

【常磐津節】より

…通説では1857年(安政4)に大当りをした《三世相錦繡文章(さんぜそうにしきぶんしよう)》の功名争いをその原因とするが,《三世相》上演後2年は同席しているのでそれだけではなく,岸沢古式部に独立の意志があり,それがたまたま文字太夫との紛争をきっかけとして表面化したと推測される。分裂後文字太夫は2世佐々木市蔵を,小文字太夫は初世常磐津文字兵衛を三味線方とし,岸沢古式部は太夫となり6世式佐を三味線方としたが,82年7世小文字太夫(常磐津林中)により和解が成立,その記念として《釣女》《松島》が作られている。ところが,1906年林中が死没すると両派は再度対立,7世岸沢式佐・仲助兄弟は〈新派〉を樹立した。…

※「常磐津林中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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