廃立（読み）はいりゅう

精選版 日本国語大辞典

はい‐りゅう ‥リフ【廃立】

〘名〙 (「りゅう」は「立」の正音、「りつ」は慣用音)

① ＝はいりつ（廃立）

※近世紀聞（1875‐81）〈染崎延房〉二「天子の廃立(ハイリフ)を謀らんと」

② 仏語。捨てることと立てること。並べた二つのもののうち、一方を捨てて他を立てること。法華経についていわれる廃権立実（仮の教えを捨てて真実の教えを立てること）はその例。

※改邪鈔（1337頃）「真宗の門においてはいくたびも廃立をさきとせり」

③ ＝はいりゅう（配立）

※太平記（１４Ｃ後）二〇「兼ての廃立(ハイリウ)には、前なる兵は城に向ひ逢ふて合戦を致し、後なる足軽は、櫓をかき」

はい‐りつ【廃立】

〘名〙 (「りつ」は「立」の慣用音) 臣下が君主を廃して別人を君主に立てること。はいりゅう。

※続日本紀‐天平宝字八年（764）九月壬子「事渉_二廃立_一、反為所_レ滅」 〔史記‐太史公自序〕

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

はい‐りゅう〔‐リフ〕【廃立】

［名］(スル)
１ 「はいりつ（廃立）」に同じ。
「天子の―を謀らんと和学者に命じ」〈染崎延房・近世紀聞〉
２ 仏語。二つのものを比べ、一方を廃し、他方を立てること。

はい‐りつ【廃立】

［名］(スル)臣下が君主を廃して他の人を君主に立てること。はいりゅう。「王を廃立する」

出典　小学館

普及版 字通

【廃立】はいりつ

君主や封侯をたてかえる。〔史記、太史公自序〕興りて已來、太初に至るまで百年、侯廢立するも、譜紀らかならず。

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出典　平凡社「普及版 字通」