(読み)ハイ

デジタル大辞泉 「廃」の意味・読み・例文・類語

はい【廃〔廢〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ハイ(漢) [訓]すたれる すたる
くずれて使えなくなる。すたれてだめになる。「廃屋廃墟はいきょ廃物朽廃荒廃興廃頽廃たいはい老廃物
不用のものとしてやめにする。「廃案廃位廃刊廃棄廃業廃校廃止廃車改廃全廃存廃撤廃
(「はい」と通用)からだがだめになる。「廃疾廃人

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「廃」の意味・読み・例文・類語

すたり【廃】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「すたる(廃)」の連用形名詞化 )
  2. すたること。かつて盛んであったものが衰えてしまうこと。衰微すること。はやらなくなること。
    1. [初出の実例]「義太夫も落語も総じて寄席はもうすたりでさ」(出典:腕くらべ(1916‐17)〈永井荷風〉四)
  3. 古くなって役に立たなくなること。価値のなくなること。またそのもの。
    1. [初出の実例]「掛のすたり三十七貫目あまり」(出典:浮世草子・万の文反古(1696)一)
    2. 「『そんな物を買入(かひて)が有るか』『何でもハア廃(スタ)りにはなんねへもので、釘かけでも拾ひやんす』」(出典塩原多助一代記(1885)〈三遊亭円朝〉一〇)

すたれ【廃】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「すたれる(廃)」の連用形の名詞化 ) =すたり(廃)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「廃」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)廢
15画

[字音] ハイ
[字訓] やめる・すてる

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は廢に作り、發(発)(はつ)声。發は出発の儀礼を示す字で、両足をそろえた(はつ)と、弓を射る形とに従う。軍を発するときの軍礼であろう。〔説文〕九下に「屋頓(かたむ)くなり」とあり、〔淮南子、覧冥訓〕に「四極廢(かたむ)く」のような用例がある。古くは廃棄の字には(ほう)(法の初形)を用い、金文には「が命を(はい)(廢)すること勿(なか)れ」のようにいう。は、神判に敗れた解(かいたい)という神羊と、敗訴者(大)と盟誓の器の蓋(ふた)を除いたもの((きよ))とを合わせて水に流棄する意で、穢れを廃棄することを示す。廢は屋の中で發の軍礼を行う意であるが、それが廃屋・廃国の意となるのは、亡国の儀礼と関係があるかもしれない。亡国の社はその屋を覆うという。喪乱復することを撥乱という。

[訓義]
1. やめる、すたれる、うせる。
2. すてる、さる、のぞく、しりぞける。
3. かたむく、いえがかたむく。
4. 癈(はい)と通じ、癈疾。
5. 撥と通じ、はねる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕廢 ヤム・トドム・スツ・ワタル・ナラフ・タノム・ソツ・ハナツ・スタル・シリゾク・ススム・オク 〔字鏡〕廢 ホロブ・スツ・ワスル・ススム・オク・スタレタルヲ・スタル・ヤム・ナラフ・タノム・トドム・シリゾク

[熟語]
廃遺廃軼・廃易・廃苑廃捐・廃園・廃屋廃懈・廃壊・廃格・廃棄・廃廃虐・廃墟・廃去・廃業・廃欠廃錮・廃戸廃痼・廃功・廃興廃曠・廃残・廃弛・廃址・廃止・廃紙・廃事廃寺・廃疾・廃失・廃日・廃舎・廃書・廃除・廃飾・廃職・廃人廃絶・廃措・廃塞・廃退・廃替・廃滞・廃・廃宅・廃奪・廃地・廃池・廃置・廃嫡・廃黜・廃朝・廃撤・廃頓・廃敗・廃罷・廃・廃物・廃病・廃放・廃亡・廃務・廃免・廃薬・廃邑・廃落・廃乱・廃懶・廃離・廃立
[下接語]
委廃・違廃・捐廃・改廃・懐廃・起廃・棄廃・毀廃・廃・義廃・久廃・休廃・朽廃・功廃・荒廃・耗廃・興廃・曠廃・困廃・弛廃・除廃・章廃・衰廃・全廃・損廃・存廃・怠廃・退廃・廃・黜廃・逓廃・停廃・撤廃・頓廃老廃

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android