引合う(読み)ヒキアウ

デジタル大辞泉 「引合う」の意味・読み・例文・類語

ひき‐あ・う〔‐あふ〕【引(き)合う】

[動ワ五(ハ四)]
互いに引っ張る。引っ張り合う。「ロープを―・う」
取引をしてもうけがある。収支がつりあう。「―・わない商売
苦労努力をしただけのことがある。割に合う。「さんざん手助けをして恨まれたのでは―・わない」
助け合う。手を取り合う。
当国守護を給ひて、星野行明等と―・ひ」〈太平記三五
取引をする。取り決めをする。
「先刻内々―・うておいた」〈滑・膝栗毛・五〉
[類語]ペイする割に合う算盤そろばんが合う採算がとれる採算が合うぼろい・割がいい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「引合う」の意味・読み・例文・類語

ひき‐あ・う‥あふ【引合】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙
    1. 互いに引く。引っぱり合う。
      1. [初出の実例]「刀を奪はれ進らせじと、引合ひける間」(出典:太平記(14C後)一三)
    2. 互いに手を取り合う。互いに助け合う。また、通じ合う。
      1. [初出の実例]「星野・行明等と引合ひ、国へ入ける路次の軍に打負て」(出典:太平記(14C後)三五)
    3. 小言(こごと)をいう。江戸時代、店者仲間の語。
      1. [初出の実例]「又引合れる事じゃなどといふ。是小言を引合と云」(出典:洒落本・五臓眼(1789‐1801)店者の癖)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙
    1. 取引をする。とりきめをする。約束をする。
      1. [初出の実例]「酒屋の門をたたく月の夜〈涼葉〉 人足の貫目ひきあふござづつみ〈大舟〉」(出典:俳諧・金蘭集(1806))
    2. 投資と利益がつりあう。また、収支がつりあう。わりにあう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
      1. [初出の実例]「お天気都合が悪いと休みが勝ちますからね、やっぱり引合(ヒキアヒ)ません」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)四)
    3. 苦労や努力に値する結果が得られる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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