張り紙値段(読み)はりがみねだん

精選版 日本国語大辞典 「張り紙値段」の意味・読み・例文・類語

はりがみ‐ねだん【張紙値段・貼紙値段】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代幕府諸藩家臣に支給する祿米を金で渡す場合の公定値段。年三回城内に張紙をもって公示されるこの米価が、金納年貢の基準となり、市中物価の標準ともなった。張紙。
    1. [初出の実例]「米と云ってもむづかしいから、金で済しませう。そんなら、御貼紙(ハリガミ)値段よ」(出典:咄本・春袋(1777)福神借貸)

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改訂新版 世界大百科事典 「張り紙値段」の意味・わかりやすい解説

張紙値段 (はりがみねだん)

江戸時代,旗本御家人俸禄米を金で支給する際の公定換算値段。幕府直臣のうち万石以下のものは,地方知行(じかたちぎよう)と蔵米(くらまい)知行に分けられるが,後者蔵奉行から俸禄米を,春(2月)1/4,夏(5月)1/4,冬(10月)1/2と3期に分けて支給された。全部を現米で支給することもあるが,通常は一部を金に代えて支給した。その換算相場を支払のつど,江戸城内の中ノ口に張紙したところから,この名があり,値段の表示は米100俵(35石)当りの金額で行われた。この相場は江戸市中の米価に準拠しているが,財政・米価・旗本救済などの諸点をも考慮して決定された。年貢石代納(こくだいのう)の換算値段は,一般に近在の米市場の相場を基準にするが,関東と甲州の一部の幕領では,張紙値段に一定の増値段を加えて使用している。
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百科事典マイペディア 「張り紙値段」の意味・わかりやすい解説

張紙値段【はりがみねだん】

江戸幕府の公定米価。正月,4月,9月に江戸城内の中ノ口(なかくち)に奉書の形で張紙されたのでこの称がある。旗本御家人の俸禄の換算率となるが,実際の米価とは違っていた。一部の地方では年貢石代納(こくだいのう)の換算値段としても一定の増値段を加えて用いられた。

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世界大百科事典(旧版)内の張り紙値段の言及

【コメツキムシ(米搗虫∥叩頭虫)】より

…胸脚を有し,腹部末端に1対の尾突起をもつものと欠くものとがある。土壌に生息するものはハリガネムシと呼ばれ,英名もwirewormである。農作物の根や塊茎を食するため害虫として扱われているが,コメツキムシ科の幼虫の多くは肉食性で土壌中や朽木中で昆虫などの小動物を捕食する。…

【トビイロムナボソコメツキ】より

…7~8月ころ,土壌中に蛹室(ようしつ)をつくって蛹化,羽化した新成虫はそのまま越冬し,翌春になって出現する。ムナボソコメツキ類,カバイロコメツキ類,クシコメツキ類などの幼虫はハリガネムシと呼ばれ土壌中に生息し,ムギをはじめ各種の農作物の根を食害するが,トビイロムナボソコメツキは,その代表種である。【林 長閑】。…

※「張り紙値段」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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