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借貸 しゃくたい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

借貸
しゃくたい

賑貸 (しんたい) ともいう。窮民を救うために無利子で貸付けをすること。養老4 (720) 年春に国税の稲を貸付け,秋にこれを納めさせたのが始り。以来,江戸時代にいたるまで,貧困者を救うために幕府および民間で行われた。 (→出挙 )

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デジタル大辞泉の解説

しゃく‐たい【借貸】

かしかり。貸借。
奈良・平安時代、官稲を無利息で貸与したこと。窮民救済や勧農のために行った。賑貸(しんたい)。仮貸(かたい)。→出挙(すいこ)

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世界大百科事典 第2版の解説

しゃくたい【借貸】

日本古代の無利息の貸付け。有利の貸付けである出挙(すいこ)に対していう。賑貸(しんたい),仮貸(かたい)とも称し,おもに国家が不作,疫病流行などにさいし救済のために,農民に正税(しようぜい)の一部を貸し付けたり,出挙の利を免じて実質的に借貸とすることもあった。このほかに国司が無利息の官稲を借りうけ,これを有利で農民に貸し付ける国司借貸もあり,国司の私的収入源となっていた。734年(天平6)にはその貸付け限度額が国の等級別に14万束~8万束までとされたが,弊害も多く2年後にいったん廃止され,のち745年の公廨稲(くがいとう)の制の中に組みこまれ,国司の俸給の一形態となっていった。

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大辞林 第三版の解説

しゃくたい【借貸】

かしかり。
奈良・平安時代、貧民救済などのために官稲を無利息で貸したこと。賑貸しんたい。 → 出挙すいこ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

借貸
しゃくたい

奈良・平安時代の無利息米稲貸与制度。出挙(すいこ)の一種であるが、一般に出挙は有利貸付であるのに対し、無利息による貸与をいう。賑貸(しんたい)ともいう。当初、困窮する農民の救済のために設けた制度で、凶作年などに行われた。734年(天平6)国司を優遇するため、国の等級によって相違するが、国司に一定額の官稲の借貸を許し、彼らはそれを有利貸付である出挙として農民に貸し付け、利稲を得分とする制度が成立した。しかし弊害も多く、まもなく禁止されたが、798年(延暦17)国司に対する公廨田(くがいでん)の廃止により借貸の制が復活し、806年(大同1)新赴任の国司に公廨稲の4分の1を借貸して食料にあてさせる制が生まれ、のち鎮守府(ちんじゅふ)、鋳銭司(じゅせんし)の官人や諸国書生(しょしょう)などの地方官にも借貸を許し、事務多忙の官の労苦に報いた。[米田雄介]

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