(読み)ヒツ

デジタル大辞泉 「弼」の意味・読み・例文・類語

ひつ【×弼】

律令制で、弾正台だんじょうだい次官すけ。大・少各1名。
奈良時代紫微中台しびちゅうだい次官

ひつ【弼】[漢字項目]

[音]ヒツ(漢) [訓]すけ
付き添って助け正す。補佐する人。「匡弼きょうひつ輔弼良弼
[名のり]すけ・たかし・たすく・ただし・たね・のり

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精選版 日本国語大辞典 「弼」の意味・読み・例文・類語

ひつ【弼】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制で、弾正台の次官。はじめ一人であったが、弘仁一四年(八二三)より大弼一人、少弼一人を置く。官位相当は大弼が従四位下、(少)弼が正五位下。〔令義解(718)〕
  3. 奈良時代、紫微中台(しびちゅうだい)の次官。大弼・少弼がある。紫微中台は藤原仲麻呂が、天平勝宝元年(七四九)に皇后宮職を改称したもの。

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普及版 字通 「弼」の読み・字形・画数・意味


12画

[字音] ヒツ
[字訓] ゆだめ・たすける

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(ひつ)。百はもと(てん)(敷物の形)に作り、席(むしろ)の象形。〔説文〕十二下に「輔なり」(段注本)といい、弓の形をなおすゆだめの意とし、「に從ひ、聲」とするが、声が異なる。意符が声符であるから、によって字義を考えるべきである。金文賜与に「金(きんてんふつ)」とあるものは、金飾りのある車の(おお)いで、〔詩、小雅、采〕に「(てんふつ)魚」(魚皮で作った(えびら))と歌われているが、金文のにあたり、弼は車の蓋(おお)いを原義とする字である。輔弼の意に用いるのは、ゆだめの意に用いてのち、義が転じたものであろう。〔説文〕に篆文のほか、古文字形三を録する。

[訓義]
1. くるまのおおい、
2. ゆだめ。
3. たすける、ただす、うつ。

[古辞書の訓]
名義抄〕弼 タスク

[熟語]
弼違弼諧弼疑弼匡弼教弼佐弼臣弼成弼導・弼寧・弼亮
[下接語]
規弼・匡弼・後弼・承弼・台弼・篤弼・補弼・輔弼・明弼・右弼・良弼

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