当薬(読み)トウヤク

精選版 日本国語大辞典 「当薬」の意味・読み・例文・類語

とう‐やくタウ‥【当薬】

  1. 〘 名詞 〙 植物せんぶり(千振)」の異名。また、それを乾燥させたもの。健胃薬として用いる。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「たう薬のおふるあたりやわけぬらん野原の中にをこる虫の音」(出典:狂歌・玉吟抄(1608))
    2. 「奴僕(てっち)もろ共苦参(タウヤク)を引て、是を陰干にしてはら薬なるぞと」(出典浮世草子日本永代蔵(1688)二)

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「当薬」の解説

とうやく【当薬】

漢方薬に用いる生薬(しょうやく)一つリンドウ科センブリを乾燥させたもの。一般に「センブリ」ともよばれる。千度振り出してもまだ苦いというのが名の由来健胃作用があり、単独腹痛食欲不振、消化不良などに用いる。またエキスは発毛促進作用をもつとされ、育毛剤に使用される。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「当薬」の解説

当薬 (トウヤク)

植物。リンドウ科の二年草,園芸植物,薬用植物。センブリの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の当薬の言及

【センブリ(千振)】より

…北海道南部から南は屋久島まで広く分布し,さらに朝鮮半島から中国にもある。全草を日本で民間薬とし,当薬(とうやく)という。湯の中で1000回振り出してもまだ苦いのでセンブリ(千振)の和名がある。…

※「当薬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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