坪内逍遙(しょうよう)作の戯曲。三幕六場。1916年(大正5)9月『女魔神(おんなまじん)』と題して発表、翌年5月改訂して『役の行者』の題で刊行。ほかに、実演用に加筆した『行者と女魔』(1922)、映画向き絵巻物語『神変大菩薩伝(じんぺんだいぼさつでん)』(1932)がある。大和(やまと)国(奈良県)大峰(おおみね)山中に修行する役の行者は葛城山(かつらぎさん)の魔神一言主(ひとことぬし)を大クスノキのまたに呪縛(じゅばく)して旅に出る。弟子広足(ひろたり)は師の禁に背いて魔神に近づき、その魔力により心が動揺し、さらに一言主の母の魔女に誘惑されて行者のもとを去る。魔女はなおも美女の姿に変じ、帰山した行者を誘惑するが、行者は厳然と退ける。おりから朝廷から討手がかかり、自分のために老母の命が危ないのにも心を動かさず、ついに信念と行力によって大岩石を打ち砕いて金剛蔵王(こんごうざおう)の像を残し、白雲と化して去る。当時の自然主義に対する逍遙の批判と信念を具体化した作。1926年3月築地(つきじ)小劇場初の創作劇として小山内薫(おさないかおる)演出により上演された。
[菊池 明]
『『現代日本戯曲選集4』(1955・白水社)』
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新