御湯(読み)ミユ

デジタル大辞泉 「御湯」の意味・読み・例文・類語

み‐ゆ【御湯】

温泉。いでゆ。
「―のうへ木群こむらを見れば」〈・三二二〉
敬称おゆ
「うらやましほた木切りくべいかばかり―わかすらむ秋の山里」〈右京大夫集
巫女みこ神前熱湯ササの葉を浸し、身にふりかけて祈ること。湯だて。
「幸を神に祈るとて、巫子祝部を召しあつめて―をたてまつる」〈読・雨月吉備津の釜〉

お‐ゆ【御湯】

12」の美化語

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御湯」の意味・読み・例文・類語

み‐ゆ【御湯】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み」は接頭語 )
  2. いで湯の美称。温泉。
    1. [初出の実例]「三湯(みゆ)の上の 樹群を見れば 臣の木も 生ひ継ぎにけり」(出典万葉集(8C後)三・三二二)
  3. 湯の敬称。特に、湯浴みのための湯。
    1. [初出の実例]「うらやましほたききりくべいかばかりみゆわかすらむ秋の山里」(出典:建礼門院右京大夫集(13C前))
  4. 巫女(みこ)が神前で熱湯に笹の葉をひたしてそれを身にふりかけて祈ること。また、その湯。湯立(ゆだて)
    1. [初出の実例]「将(いざ)や、人々宮巡りを始めて、神をも、すずしめの、御湯参らせう舟かた」(出典:狂言歌謡・爰は住吉(鷺小舞)(室町末‐近世初))

お‐ゆ【御湯】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 ) 「湯」の尊敬丁寧語
  2. あたたかい水。特に、お風呂。また、湯あみをすること。
    1. [初出の実例]「今日は七日にて御ゆのあるべければ」(出典:栄花物語(1028‐92頃)後悔の大将)
  3. 銭湯(せんとう)
    1. [初出の実例]「冬の静かな夜、家の人は連れそって、近所のお湯に出かけたのである」(出典:三十三の死(1914)〈素木しづ子〉)

お‐ぶう【御湯】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
  2. 湯、お茶などをいう幼児女性語。おぶ。
    1. [初出の実例]「姉さん、お湯(ブウ)をあげませう」(出典:玄武朱雀(1898)〈泉鏡花〉一〇)
  3. 風呂や銭湯をいう幼児・女性語。おぶ。
    1. [初出の実例]「おぶうはどこだ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前)

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