日本歴史地名大系 「御経塚遺跡」の解説
御経塚遺跡
おきようづかいせき
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
石川県野々市市御経塚,手取川扇状地北部扇端,標高10mに位置する縄文時代後・晩期の集落遺跡。近辺に,八日市新保(ようかいちしんぽ)・中屋などの同期の遺跡がある。遺跡の規模は,300m×250mと推定されており,うち1万5000m2が1977年3月史跡指定を受けた。1956年3月旧押野村史編集事業の一環として発掘調査が実施され,御経塚式土器が設定された。この調査において,岐阜県から北陸地方で多出する御物(ぎよぶつ)石器が安置された状態で発見され,発掘調査による初の出土例となった。その後,国道8号線バイパス敷設,宅地造成などに伴って十数次に及ぶ調査が実施されており,膨大な遺物が検出されている。土器の多くは,縄文時代後期後半に所属し,近畿地方の元住吉山式・宮滝式と強い関連をもつ。また,発掘例の希少な後・晩期住居跡数棟と,炉跡22基が発見されている。
執筆者:橋本 正
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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