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心臓外傷 しんぞうがいしょうtraumatic injury of the heart

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

心臓外傷
しんぞうがいしょう
traumatic injury of the heart

穿通性外傷と非穿通性外傷に分けられる。穿通性外傷はピン,針,ナイフ,銃弾などが直接心臓に達して損傷するもので,ときには心臓カテーテル,ペースメーカー用カテーテル電極などによる心臓壁の穿孔,心臓血管造影による損傷などもある。非穿通性外傷は,交通事故などで前胸部に強い外力が加わったとき,心臓が前胸壁脊柱との間にはさまれたり,脊柱に打ちつけられた状態になるとともに,心臓内圧も急激に上昇するために起る損傷である。損傷は心臓壁のみにとどまらず,冠状動脈中隔,弁などに及ぶこともある。症状としては,心膜腔内に急激に出た血液が貯留して生じる心臓タンポナーデ,大きい損傷による胸腔内大出血などが重要である。肺,食道,大血管,横隔膜などの損傷を伴うこともある。治療はショック,タンポナーデの処置とともに損傷部位の手術を行う。

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家庭医学館の解説

しんぞうがいしょう【心臓外傷 Cardiac Injury】

[どんな病気か]
 心臓を刃物で刺されたり、銃で撃たれたりすると(穿通性心臓外傷(せんつうせいしんぞうがいしょう))、心臓が破れ、大量の出血となります。
 この血液が、心臓の外側を包んでいる心膜の下にたまると、たまった血液に圧迫されて心臓が十分に広がらなくなって、血液をためることができなくり、送り出す血液の量も減ってしまいます。これを心(しん)タンポナーデといい、ショックから心肺停止におちいります。
 血液が胸腔(きょうくう)内にたまる血胸(けっきょう)(「血胸/気胸/血気胸」)もおこります。
 胸を強く打ったり、圧迫されたりすると、心臓がつぶれた状態になり(非穿通性心臓外傷(ひせんつうせいしんぞうがいしょう)、心破裂(しんはれつ))、胸痛、呼吸困難とともに心不全(しんふぜん)の状態になります。心室中隔(しんしつちゅうかく)の破裂、弁膜(べんまく)などの断裂がおこり、生命が危険になることもあります。
[検査と診断]
 聴診、触診、胸部X線検査、心臓超音波検査、心電図検査などで総合的に診断します。
[治療]
 穿通性心臓外傷の場合は、緊急に開胸して心臓の破れている部位を縫合(ほうごう)します。
 心タンポナーデがおこっていれば、心膜に針を刺したり、心膜を切開したりして、血液を排除します。
 非穿通性心臓外傷の場合は、酸素吸入、血管確保、安静とともに、抗不整脈薬の使用、心臓ペーシング(鎖骨下静脈(さこつかじょうみゃく)、内頸静脈(ないけいじょうみゃく)、大腿静脈(だいたいじょうみゃく)のいずれかから、先に電極のついた管を挿入し、心臓内に電極を入れ、心臓を刺激して心停止を予防する)を行ないます。

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