忍野村(読み)おしのむら

日本歴史地名大系 「忍野村」の解説

忍野村
おしのむら

面積:二五・一五平方キロ

郡の南東部、富士山北麓のなしヶ原をほぼ南北に横切る国道一三八号の東側に開けた平地にある。東から南東にかけて石割いしわり(一四一三メートル)大平おおひら(一二九五・五メートル)などの尾根を境として山中湖やまなかこ村に接し、南から西にかけては国道一三八号を境として同村に接する。北東二十曲にじゆうまがり峠、鹿留ししどめ(一六三二・一メートル)杓子しやくし(一五九七・六メートル)を越えて都留市、北西から北では高座たかざす(一三〇四・四メートル)鳥居地とりいじ峠・平山ひらやま峠などを越えた所で桂川を境として富士吉田市と接する。村役場の場所は標高九三八メートル。東部にはたか丸尾とよばれる富士溶岩の台地が形成されており、それより東の石割山・大平山との間は平地が広がり水田地帯となっている。南東部より北西に向かって桂川が流れ、流れに沿って八海はつかいとよばれる湧水池が点在する。鹿留山に発する新名庄しんなしよう川が北西部で桂川に合するが、合流点付近はきわめて低湿で、かつては湖底であったといわれる。国道一三八号と分岐した県道山中―内野うちの忍草しぼくさ線が周回し、これらから鳥居地峠・平山峠・海沢うみさわ峠などを越える道が分岐して富士吉田市に通じる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「忍野村」の意味・わかりやすい解説

忍野〔村〕
おしの

山梨県南東部,富士山北東麓にある村。南半を忍野盆地が占め,水田地域となっている。近年工業誘致が行なわれ,主産業は工業となった。富士の伏流水の湧出によって多くの池ができ,そのおもな池は忍野八海と称されて,国の天然記念物に指定されている。西部の忍草(しぼくさ)は第2次世界大戦後,入会地を北富士演習場として接収され,アメリカ軍,自衛隊に対して返還運動が起こった。富士山と周辺の湖,神社などは,2013年世界遺産の文化遺産に登録された。面積 25.05km2人口 9237(2020)。

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