山中湖村(読み)やまなかこむら

日本歴史地名大系 「山中湖村」の解説

山中湖村
やまなかこむら

面積:五二・八一平方キロ(境界未定)

郡の南東端にある。北側は東から西へ道志どうし村・都留市・忍野おしの村、西から南にかけては富士吉田市、南は静岡県駿東すんとう小山おやま町、東は神奈川県足柄上あしがらかみ山北やまきた町と接する。北は石割いしわり(一四一三メートル)大平おおひら(一二九五・五メートル)、南から東は籠坂かごさか(標高一一〇四メートル)大洞おおぼら(一三八三・五メートル)三国みくに(一二〇一・四メートル)から延びる山嶺が続く。南東から北西にかけては富士山裾野なしヶ原の高原が開け、村域のほぼ中央に山中湖がある。湖の形状は東西方向に長く、西側は広く東側は狭まっている。北東隅には湖には珍しい砂嘴がみられ、北西隅には桂川の流出口が開いている。近世以来の集落は大部分が北岸にあり、南岸には近現代に開発した観光施設・別荘地が開けている。湖の西岸を富士吉田市から静岡県御殿場市方面に向かう国道一三八号が通じ、籠坂峠で小山町に抜けるが、それとほぼ並行して東富士五湖道路が通り、村の西端に山中湖インターチェンジが設けられている。湖の西側で国道四一三号が一三八号と分岐し、南岸に沿って北東に向かい、山伏やまぶし峠から道志村を経て神奈川県方面へ通じる。明治一一年(一八七八)までは都留郡に属した。

律令時代には東海道本路の駿河国横走よこばしり(現御殿場市)から分岐して甲斐国府へ至る官道が通り、駅として加吉かきつが設置された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山中湖村」の意味・わかりやすい解説

山中湖〔村〕
やまなかこ

山梨県南東部,富士山北東麓にある村。富士山と丹沢山地西端部に挟まれ,中央に山中湖がある。1965年中野村から改称。湖岸は昭和初期から観光保養地となり,南岸には企業や学校の寮,別荘,ホテルなどが立ち並ぶ。民宿を営む農家も多い。西岸の山中は籠坂峠の北麓にあたり,大正時代までは沼津と甲府を結ぶ鎌倉往還の要衝であった。山中のハリモミ純林は国の天然記念物に指定されている。富士箱根伊豆国立公園に属する。富士山と周辺の湖,神社などは,2013年世界遺産の文化遺産に登録された。国道138号線,413号線,東富士五湖道路が通る。面積 53.05km2(境界未定)。人口 5179(2020)。

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