応量器(読み)オウリョウキ

デジタル大辞泉 「応量器」の意味・読み・例文・類語

おうりょう‐き〔オウリヤウ‐〕【応量器】

《〈梵〉pātraの訳》仏道修行者の食器材料・色や量が規定にかなうところからの名。現在は、僧が托鉢たくはつのときに持つ鉄製の鉢。応器

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精選版 日本国語大辞典 「応量器」の意味・読み・例文・類語

おうりょう‐きオウリャウ‥【応量器】

  1. 〘 名詞 〙おうき(応器)
    1. [初出の実例]「御鉢は依御法体用之鉢をば応量器といふなり」(出典花鳥余情(1472)一九)
    2. [その他の文献]〔盂蘭盆経疏‐下〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「応量器」の意味・わかりやすい解説

応量器
おうりょうき

僧尼が常に所持して飲食を受ける器。応器ともいう。サンスクリット語 pātraの漢訳音写は「鉢多羅」であるが,略語の「」が一般に用いられている。修行に際して衆生喜捨を受けるので「托鉢」の語もある。僧が常に身につけるべき十八種物の一つで,鉢と三衣(→三衣一鉢)は僧具なかで最も高い位置を占める。

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食器・調理器具がわかる辞典 「応量器」の解説

おうりょうき【応量器】

僧が食事に用いる、入れ子にできる大きさの違う鉢、箸、さじなどが一組になっているうつわ類。托鉢(たくはつ)(米や金銭を乞うて歩く修行)にも用いる。元来は曹洞宗で用いる語で、他の宗派にはそれぞれの用語があるが、一般的にはこの語が知られる。◇入れるものの量に応じた大きさの鉢を用いることからこの名があるとされる。鉄製の鉢であったが、黒塗りは鉄と同じとみなして漆器を用いるようになり、こんにちでは黒塗りの漆器のほうが一般的。「鉄鉢(てっぱつ)」ということがあるのは、このためである。「応器」ともいう。

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世界大百科事典(旧版)内の応量器の言及

【雲水】より

…前の袈裟行李(けさごうり)には,袈裟,白衣,かみそり,経典や三物(嗣書,血脈,大事)などを入れる。食器は応量器(おうりようき)(持鉢(じはつ))と称し,行李をいれた袋の上にしばりつけて持ち歩く。後ろに背負う荷物は着替えや雨合羽などである(図)。…

【鉢】より

…出家者の用いる食器のこと。応器,応量器ともいう。サンスクリットのパートラpātraの音写。…

※「応量器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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