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 はち

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


はち

(1) 食器の一種。用途,形態,材質 (陶磁器ガラス,金属など) によって多くの種類がある。すでに縄文時代には一般に用いられ,遺跡からの出土品も多い。 (2) 応量器。「はつ」ともいう。僧が身につけるべき僧具の一つ。

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デジタル大辞泉の解説

はち【鉢】

《〈梵〉pātraの音写「鉢多羅」の略》
仏道修行者の食器。また、僧尼が托鉢(たくはつ)のときに所持する器。応量器(おうりょうき)。鉢の子
皿より深く碗(わん)より浅い、上部の開いた食器。「に盛りつける」
御飯を入れておく木製の容器。めしびつ。おひつ。おはち。
草木を植える容器。植木鉢。「植木のに水をやる」
頭蓋骨。頭の横まわり。「頭のを割られる」
兜(かぶと)の頭頂をおおう部分。革または鉄で作る。

はち【鉢】[漢字項目]

常用漢字] [音]ハチ(呉) ハツ(漢)
〈ハチ〉上部の開いた容器。「金鉢(かなばち)乳鉢火鉢(ひばち)手水鉢(ちょうずばち)
〈ハツ〉僧の用いる食器。「衣鉢托鉢(たくはつ)
[補説]もと、梵語の音訳字。

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世界大百科事典 第2版の解説

はち【鉢】

皿よりは深く,椀よりは浅い,口の広く開いた容器。石,金属,陶磁,漆塗(木)製などがある。広口の縄文土器のうち,深い筒形のものを深鉢,截頭円錘形や半球形の浅い器を浅鉢と呼ぶが,深鉢はおおむね弥生土器の甕(かめ)に相当する。僧が用いる食器を(はつ)といい,〈はち〉の語はこの鉢多羅(はつたら)(サンスクリットのパートラの音写)を略したものといわれる。奈良時代における鉢の代表的遺品に金銅鉢(鉄鉢),奈良三彩鉢(正倉院),(乾漆),鉢(東京国立博物館)などがあり,形体は底が丸く,上部の口縁が内側にややせばめられている点が共通している。

はつ【鉢】

出家者の用いる食器のこと。応器,応量器ともいう。サンスクリットのパートラpātraの音写。詳しくは鉢多羅(はつたら)という。〈応(量)器〉は,法に応ずる,また1人の食量に応ずる器の意味である。鉢は出家者の最も基本的な所持物である六物(ろくもつ)の一つで,その形,大きさ,材質,取扱方に細かい規定があった。形はおおむね半球状で,材料は鉄または土(素焼)に限られていた。石は仏のみの所有とされ,木は外道(げどう)(仏教以外の修行者)の用いるものとして,金銀などのぜいたく品とともに出家者(比丘)には禁止されていた。

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大辞林 第三版の解説

はち【鉢】

pātra(鉢多羅)の略〕
〘仏〙
僧が食事や托鉢の際に用いる、円形の深い容器。鉄製・陶製のものもあるが、多くは漆を塗った木製。はつ。応量器。鉢の子。
托鉢。また、その際に受ける米銭。
食器の一。皿より深く、口の開いた形のもの。
に似た形の器。手水ちようず鉢・植木鉢など。
〔形が似ていることから〕 頭蓋骨とうがいこつ。 「頭の-の開いた人」
かぶとの一部分。頭の上部をおおうところ。 →
(処女の)女陰の異名。 「 -を割る」 → あらばち
掘り起こした植木の根の土を帯びた部分。
[句項目]

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食器・調理器具がわかる辞典の解説

はち【鉢】

➀皿よりも深く、上に向かって開いた形の食器。陶磁器のほか、金属、木、漆器、ガラスなどもある。形は、丸、角、花形など多様、大きさも用途によりさまざまなものがある。◇僧が托鉢(たくはつ)(米や金銭を乞うて歩く修行)の時に用いるうつわのサンスクリット語の音訳「鉢多羅」から、「鉢」と略すようになった。
➁「➀」に似た形の容器。火鉢(ひばち)、植木鉢(うえきばち)、金魚鉢などがある。

出典|講談社
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


はち

皿よりは深く、瓶(へい)よりは口が広く、壺(つぼ)よりは浅く開いた容器で、食物、水などを入れる。石、金属、陶磁、木製などがある。鉢のような口の開いたやや深めの容器は、すでに縄文・弥生(やよい)式土器にも多くみられ、登呂(とろ)遺跡からは木鉢も出土している。ハチの語は、梵語(ぼんご)Ptraの音訳「鉢多羅(はつたら)」の略で、インドでは食器を意味し、本来、僧侶(そうりょ)が托鉢(たくはつ)で施しを受けるのに持った鉄鉢(てっぱつ)のことであった。奈良時代の正倉院宝物には焼物鉢、ガラス鉢、鍮錫(ちゅうしゃく)鉢、木鉢などがみえ、平安時代の『延喜式(えんぎしき)』には神前の供器として、陶(すえ)鉢、土師(はじ)鉢、(あえ)鉢などがみえている。しかし一般に陶磁器製の食器が普及したのは近世以降で、明治までは、もっぱら白木や漆塗りの木鉢が使用されることが多かった。鉢の外面は、文様や絵模様を描いて装飾としたものも多く、形態は円形がもっとも多く、また四角、六角、八角、隅(すみ)切り、花形などいろいろあった。鉢の底には、湾曲したままのもの、平底のもの、高台のあるものなどがあった。なお鉢には、高台の高い台鉢、外側の切り立った鉦(しょう)鉢、段のついた甲(かぶと)鉢、入れ子になる重(かさね)鉢、婚礼道具とされた挽(ひき)鉢のほか、平鉢、鼓(つづみ)鉢、菓子鉢、飯(めし)鉢、すり鉢、火鉢、植木鉢など、形状や用途による種類も多い。[宮本瑞夫]

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世界大百科事典内のの言及

【飛鉢譚】より

…修行者が鉢(はち)を飛ばして布施を得る説話をいう。鉢は〈三衣一鉢(さんねいつぱつ)〉というように,僧の携えるべき什器の一つで,木や鉄で作られ,供養を受けるための容器であった。…

【鉢】より

…石,金属,陶磁,漆塗(木)製などがある。広口の縄文土器のうち,深い筒形のものを深鉢,截頭円錘形や半球形の浅い器を浅鉢と呼ぶが,深鉢はおおむね弥生土器の甕(かめ)に相当する。僧が用いる食器を(はつ)といい,〈はち〉の語はこの鉢多羅(はつたら)(サンスクリットのパートラの音写)を略したものといわれる。…

【仏教美術】より

…塔周囲の四門や欄楯(らんじゆん)(玉垣)には仏伝図や本生図の精細な浮彫が施されている。クシャーナ朝のガンダーラの塔になると,方形の基壇上に円筒形の鼓胴部を幾壇にも高く積み,頂上に小さな覆鉢を置き,その平頭上に立てた傘蓋は底部が大きく,層を重ねるごとに先細りとなり,全体に垂直的な上昇感のある塔に変化する。方形基壇や鼓胴部には,仏伝,仏像,装飾文の浮彫をめぐらすものがある。…

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