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喜捨 キシャ

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デジタル大辞泉の解説

き‐しゃ【喜捨】

[名](スル)進んで寺社、僧や貧者に金品を寄付すること。「托鉢僧に喜捨する」

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百科事典マイペディアの解説

喜捨【きしゃ】

惜しむ心なく,喜んで財物を施捨すること。施捨は仏・法・僧の三宝を守るためでもあり,また財物に対する執着や物欲から離脱させる意味もある。

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大辞林 第三版の解説

きしゃ【喜捨】

( 名 ) スル
功徳を積むため、あるいは宗教的な戒律にしたがって、金銭や物品を寺社や困っている人に差し出すこと。 「浄財を-する」

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

喜捨
きしゃ

元来は仏教用語で、利他心およびそれに基づく行為をいう。行為の形態や意味は各宗教により異なるが、同様な行為は広くさまざまな宗教にみられ、喜捨は一つの典型的な宗教倫理行為という広義の意味に解される。未開宗教でも、弱者・困窮者の相互扶助や有力者による保護は血縁意識と宗教意識の混合した力に支えられ、広く行われている。
 ヒンドゥー教では、古来、バラモン僧や出家修行者への財宝の施しは功徳(くどく)ある行為とされている。仏教の喜捨は、このヒンドゥー教の理念を受け継いだものと考えられ、財宝の施しはおもに出家僧とその教団(サンガ、僧伽(そうぎゃ))に限られている。在俗信徒にとっては、それは三宝(仏・法・僧)を護持し、かつ財への執着を離れる功徳ある行為とされ、上座部仏教では今日も盛んに行われている。
 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教では、喜捨はおもに貧者救済に向けられる。ユダヤ教では、『旧約聖書』に喜捨の具体的な言及がみられ、神の義にかなう行為、贖罪(しょくざい)の行為とみなされ、さらに律法で詳細に規定されている。キリスト教では、貧者への施しはイエスの説いた愛の教えの端的な実践であると考えられ、古代・中世には広く行われ、今日もその伝統は続いている。
 イスラム教では、信仰義務の一つであるザカート(定めの喜捨)と、サダカ(自由喜捨)がある。ザカートはかなり初期に救貧税として制度化され、さらに後のイスラム法の体系化に伴い、課税対象、税率、使用用途などが詳細に規定された。サダカは個人の自由意志にゆだねられ、贖罪行為としても認められる。喜捨による財は、貧者、孤児、税徴集人らに配られ、また伝道、聖戦など宗教活動に用いられる。コーランでは、両者の区別は明確ではなく、サダカが「誠意」を、ザカートが「心の清浄」を一般に意味することから推しても、両者ともに喜捨の精神が重視されることは明らかである。各個人の信仰心に基づき、同時にその共同体を正しく維持することがイスラム教の理念であり、喜捨はその理念を端的に表現している。[小田淑子]

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世界大百科事典内の喜捨の言及

【イスラム】より

…イバーダートは文字どおりには神への奉仕であり,宗教学でいう儀礼に相当する。後に五柱(ごちゆう)として定型化されたところから信仰告白(シャハーダshahāda)を除いた,礼拝,喜捨(ザカート),断食巡礼のほか,コーランではジハードがとくに強調されている。ムアーマラートは文字どおりには行動の規範,なかでも信者同士の人間関係であり,これには姦淫をしないこと,孤児の財産をむさぼらないこと,契約を守ること,秤をごまかさないことといった倫理的なおきてのほか,婚姻,離婚,遺産相続,ハッド(犯罪)に関する規定から利子の禁止,孤児の扶養と後見,賭け矢や豚肉を食べることの禁止,日常の礼儀作法の心得までを含む。…

【乞食】より

…富める者は再分配の義務を負うが,貧しい者は施しを受け,その代りに富める者のために祈るという関係は,どの宗教においても普遍的にみられるものだといえる。ヨーロッパにおいてはこのような関係のうえにキリスト教の教義が形成され,現世における最大の善行のひとつとして喜捨が位置づけられ,そのためにこじきの存在がキリスト教倫理の前提とされていた。中世においてはこじきは現代と違って社会的に容認された存在であり,こじきの仲間団体すら結成されていた。…

【サダカ】より

…〈喜捨〉を意味するアラビア語で,イスラム法に定めるムスリムの義務としてのザカートに対し,自発的な喜捨を意味し,それが自発的であることを強調するために,とくにサダカ・アッタタッウーṣadaqa al‐taṭawwu‘(自発のサダカ)ということもある。コーランでは,ザカートもサダカも自発的喜捨を意味した。…

※「喜捨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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