動物にみられる発情周期または月経周期の総称。動物が交尾衝動の高い生理状態にあることを発情という。ヒト以外は繁殖期に限って発情する。繁殖期中に周期的に発情がみられるものがあり、これを発情周期という。ウシ、ウマ、ヒツジなど多くの哺乳(ほにゅう)類に発情周期があるが、妊娠により周期は停止する。繁殖期になると卵巣では濾胞(ろほう)が成長し始め、発情ホルモンの分泌も高まり発情がおこる。ついで排卵がおこり、排卵後の濾胞は黄体化する。こうして黄体ホルモンの分泌が高まり、発情ホルモンの分泌は抑制される(黄体期)。その後、黄体は退化し、新たに濾胞が成長し始め、次の発情がおこる。ウシの発情周期は21日、ウマは23日、ヒツジは17日である。ネズミやハツカネズミでは、ウシ、ウマ、ヒツジなどに比べて黄体期の黄体ホルモンの分泌が不十分で、ラットでは4、5日の短い発情周期が繰り返される。ウサギ、ネコ、イタチなどでは、繁殖期間中に濾胞が次々と成長し、つねに大きな濾胞が存在し、発情ホルモンも持続的に分泌され、発情が持続する。したがって、これらの動物には発情周期はなく、排卵は交尾すると初めておこる。ヒトやサルなどの霊長類の性周期は、ウシやウマと基本的には同じである。排卵後、受精がおこらず、子宮に着床がないとき、子宮内膜の一部が剥離(はくり)し出血とともに体外に排出される。これを月経といい、月経を伴う性周期を月経周期という。ヒトでは平均28日、チンパンジーでは26日である。このように多くの哺乳類にみられる性周期の進行には、卵巣ホルモンの発情ホルモン、黄体ホルモンのほかに、下垂体前葉から分泌される生殖腺刺激ホルモンが密接に関係している。
[高橋純夫]
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