悪趣(読み)アクシュ

デジタル大辞泉 「悪趣」の意味・読み・例文・類語

あく‐しゅ【悪趣】

仏語現世悪事をした結果死後におもむく苦悩世界地獄餓鬼畜生三悪趣という。悪道あくどう。⇔善趣

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精選版 日本国語大辞典 「悪趣」の意味・読み・例文・類語

あく‐しゅ【悪趣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。この世で悪いことをした者が、死後におもむく世界。また、その世界での生存の状態。地獄・餓鬼・畜生の三を三悪趣、阿修羅を加えて四悪趣、別に人・天を加えて五悪趣という。⇔善趣
    1. [初出の実例]「衆生従来迷塵、神根不利、若卒聞深理、非但不一レ受行、更生謗心、恐堕悪趣」(出典法華義疏(7C前)序品)
  3. 悪い道楽。遊蕩(ゆうとう)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「悪趣」の意味・わかりやすい解説

悪趣
あくしゅ
durgati

仏教用語。悪道ともいう。悪業の結果受ける生存の状態。地獄,餓鬼 (がき) ,畜生 (ちくしょう) の三悪趣,それに修羅 (しゅら) を加えて四悪趣,三悪趣に人と天を加えて五悪趣,五悪趣に修羅を加えて六道 (ろくどう) ともいう。仏教では,人間としての生存はもとより,天上界にすらも苦しみがあると考え,これらの生存を繰返さない状態,すなわち解脱 (げだつ) ,涅槃 (ねはん) が究極理想とされる。

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世界大百科事典(旧版)内の悪趣の言及

【六道】より

…インドの世界観で,すべての衆生が,死ねばその生(しよう)の業(ごう)に従って輪廻転生(りんねてんしよう)するという6種の世界。業によって趣き住む所なのでこれを六趣(ろくしゆ)ともいうが,六道は悪趣ともいって苦の世界である。すなわち天道,人(にん)(間)道,修羅道,畜生道,餓鬼道,地獄道をいい,このうちとくに畜生道,餓鬼道,地獄道を三悪趣(さんなくしゆ)(三悪道)という。…

※「悪趣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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