(読み)セキ

デジタル大辞泉 「戚」の意味・読み・例文・類語

せき【戚】[漢字項目]

常用漢字] [音]セキ(漢)
身内。「姻戚縁戚外戚親戚内戚
うれえる。悲しむ。「休戚憂戚
まさかり。手おの。「干戚
[名のり]いた・ちか

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精選版 日本国語大辞典 「戚」の意味・読み・例文・類語

しゅく【戚】

  1. 〘 名詞 〙 中国古代の雅楽八佾舞(はちいつのまい)武舞に用いた具。武器の斧を木でかたどり、龍頭装飾があって彩色されている。現在、日本の雅楽の舞楽用具の中にはない。

せき【戚】

  1. 〘 名詞 〙 中国古代の武器。まさかり。

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普及版 字通 「戚」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音] セキ
[字訓] おの・まさかり・うれえる・したしむ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(しゆく)。は戚(まさかり)の頭部の形に、刃光の下放するさまを加えたもの。に戈を加えて、戉戚の象とする。〔説文〕十二下に「戉(ゑつ)なり」とあり、鉞(まさかり)の意。〔詩、大雅、公劉〕「干戈(かんくわ)戚揚(せきやう)あり」の〔伝〕に、「戚は斧なり。揚は鉞(まさかり)なり」とあり、戚は楽舞に用いた。〔礼記、文王世子〕に「大樂正は、干戚(かんせき)をふこと~を學(をし)ふ」、また〔礼記、楽記〕「干戚旄(うばう)」、〔礼記、明堂位〕「朱干玉戚」など、干(たて)と戚とを以て武舞を舞う。〔左伝、昭十二年〕に圭玉を削って戚の(ひつ)(柄を装着するところ)とする話があり、戚は多く儀器として用いられた。

[訓義]
1. おの、まさかり、礼器として用いる。
2. と通じ、うれえる、おそれる、いきどおる。
3. したしむ、みうち、ちかずく。憂戚をともにする意であろう。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕戚 シタシ・チカシ・ウレヘ・イタム・シジム・チカヅク

[声系]
〔説文〕に戚声としてなど二字を収める。十下は「憂ふるなり」とあり、寂の意を承ける。寂の意は、(寂)がその初文である。

[熟語]
戚愛・戚意戚姻・戚家・戚顔・戚旧戚欣・戚戚眷戚嗟戚施戚咨・戚者戚戚・戚然戚疎戚促・戚速・戚族戚属戚藩戚貌戚容・戚揚・戚里
[下接語]
哀戚・姻戚・縁戚・遠戚・外戚・干戚・喜戚・貴戚・旧戚・休戚・近戚・勲戚・権戚・賢戚・婚戚・至戚・親戚・盛戚・宗戚・帝戚・内戚・悲戚・右戚

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【鉞】より

…殷時代後期・西周時代の遺物の中には鉄刃銅鉞といわれる,刃のところが隕鉄(いんてつ)を利用してつくられたものがみられる。鉞よりやや小さい斧は戚(せき)とよばれ,舞に使用されるが,武器としても使用されたらしい。【杉本 憲司】。…

【武器】より

…鉞の中には高さ34cm,重さ6kg近いものがあって,実際これを戦場で振り回して闘うことは不可能であり,文献によって知られるように斬首や腰斬など刑罰の執行に使用されたものである。鉞をやや小型化して戦闘での殺傷用として使用したものに戚(せき)がある。しかし,戚も鉞と同じように,やがて装飾がほどこされて殺傷のための武器としての実用性を失い,権威の象徴となっていった。…

※「戚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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