デジタル大辞泉 「戻」の意味・読み・例文・類語 れい【戻】[漢字項目] [常用漢字] [音]レイ(漢) [訓]もどす もどる もとる1 道理にそむく。もとる。「戻道/違戻・乖戻かいれい・悖戻はいれい・暴戻」2 元にもどす。「返戻」[名のり]のぶ・ふさ 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「戻」の意味・読み・例文・類語 もどり【戻】 〘 名詞 〙 ( 動詞「もどる(戻)」の連用形の名詞化 )① もとへもどること。もとの状態に復すること。〔日葡辞書(1603‐04)〕[初出の実例]「十歳の神童は十五の才子、廿歳過ぎれば戻(モド)りの凡人となってしまうも」(出典:当世少年気質(1892)〈巖谷小波〉二)② 帰り。また、帰り道。帰路。[初出の実例]「かたじけなふござる、もどりによりませう」(出典:虎明本狂言・柑子俵(室町末‐近世初))③ 人形浄瑠璃や歌舞伎で、敵役と思われた人物が、劇の進行につれ、善心にもどって本心を打ち明けること。また、その演技や演出。④ 鉤(かぎ)や釣り針の端の逆にとがって出た部分。物を刺してひっかけるためのもの。〔和英語林集成(再版)(1872)〕⑤ 離縁されたり夫に死別したりして実家に戻っていること。また、その女。出戻り。[初出の実例]「ワキ狂言・すてられもせぬ・去娘(モトリ)に入聟」(出典:雑俳・不二の高根(1725))⑥ 相場の大勢が下落に向かっていたのが一時少し上がること。 もどし【戻】 〘 名詞 〙 ( 動詞「もどす(戻)」の連用形の名詞化 ) もどすこと。返すこと。[初出の実例]「度胸のある奴は張ってくれ。十円張って五十円の戻しだ」(出典:世相(1946)〈織田作之助〉七) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「戻」の読み・字形・画数・意味 戻常用漢字 7画(旧字)8画 [字音] レイ[字訓] もとる・つみ・いたる・もどる[説文解字] [字形] 会意旧字はに作り、(戸)+犬。戸下に犬牲を埋めて呪禁とする意。ここを犯すことは違戻のこととされた。〔説文〕十上に「曲るなり。犬の下に出づるに從ふ。なるは、身曲するなり」とするが、それでは罪戻の意を説きがたい。殷代の遺址には、しばしば戸下に牲を用いることがある。〔詩、小雅、節南山〕「此の大(たいれい)をす」、〔左伝、文十四年〕「其れ敢て大典を干(をか)して、以て自ら(つみ)を取らんや」など、みな重い罪戻をいう。また〔詩、小雅、雨無正〕「止する靡(な)し」、〔小雅、四月〕「高く飛んで天に(いた)る」など、至戻の義も、戸下に呪禁を施すことから、その義を生じたものであろう。[訓義]1. もとる、おかす、やぶる。2. つみ、むさぼる、しいたげる。3. とまる、いたる、さだまる、まつ、したがう。4. 国語で、もどる、もどす。[古辞書の訓]〔名義抄〕 モドル・ツミ・イタル・トシ・スシ・マツ・タカラ・トドム・トドマル・メグル・マガル・サダム・トル・ミル・キタル・ソムク[声系]〔説文〕に声としてなど二字を収める。[語系]lyet、()lietは声義に通ずるところがあり、(り)は定められた位置に臨むことをいう。[熟語]戻疫▶・戻悍▶・戻気▶・戻虐▶・戻行▶・戻很▶・戻止▶・戻手▶・戻心▶・戻旋▶・戻沓▶・戻悖▶・戻繆▶・戻夫▶・戻戻▶[下接語]悪戻・違戻・怨戻・乖戻・怪戻・悔戻・攫戻・悍戻・戻・咎戻・凶戻・狷戻・愆戻・狡戻・降戻・戻・剛戻・很戻・狠戻・差戻・罪戻・錯戻・止戻・刺戻・疵戻・鷙戻・醜戻・争戻・大戻・貪戻・天戻・背戻・悖戻・反戻・戻・否戻・鄙戻・繆戻・戻・払戻・怫戻・忿戻・僻戻・暴戻・猛戻・聊戻・寥戻・狼戻 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報