手斧始め(読み)チョウナハジメ

デジタル大辞泉 「手斧始め」の意味・読み・例文・類語

ちょうな‐はじめ〔てうな‐〕【×斧始め】

家の建築に際し、大工仕事を始める日に行う儀礼木造こづくり始め。おの始め。
正月に大工が行う仕事始め行事 新年

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精選版 日本国語大辞典 「手斧始め」の意味・読み・例文・類語

ておの‐はじめてをの‥【手斧始・釿初】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 建築や造船などで、木工事を開始するときに行なう儀式。斧初め。ちょうなはじめ。
    1. [初出の実例]「この四月御生の日よりてをのはじめして、来年の二月以前に造り出さざ覧をば」(出典:栄花物語(1028‐92頃)つぼみ花)
  3. 大工の間で行なう新年の仕事始めの儀式。
    1. <a href=手斧始〈摂津名所図会〉" />
      手斧始摂津名所図会
    2. [初出の実例]「十一日〈略〉浅草観世音本堂に於て午前六時釿(テヲノ)始の式あり」(出典風俗画報‐一五七号(1898)一月)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「手斧始め」の意味・わかりやすい解説

手斧始め
ちょうなはじめ

昔は正月5日、大工が内侍所(ないしどころ)の前で手斧の使い初めを行ったことをいい、いまも島根県日御碕(ひのみさき)神社物部(もののべ)神社では正月の神事として行っている。この儀式が終わらないうちは、近隣の大工は仕事にとりかからないという。新築工事に、大工が着手するときの儀礼をさす所もある。岐阜県北部地方では大黒柱などのたいせつな柱に墨を打つ程度で、あとは祝宴を行っている。

[鎌田久子]

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