才人(読み)サイジン

デジタル大辞泉 「才人」の意味・読み・例文・類語

さい‐じん【才人】

[名]
頭がよく、学問芸能にすぐれた人。才子
昔、中国で、文芸歌舞をもって後宮に仕えた女官
[形動ナリ]頭の働きが早く、気がきくさま。また、抜けめのないさま。
「おまへの所の嫁御はいつでも人あしらひのいは―なお方ぢゃが」〈浮・姑気質〉
[類語]才子才物知恵者英才秀才俊才天才俊英偉才奇才鬼才才女才媛異能

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精選版 日本国語大辞典 「才人」の意味・読み・例文・類語

さい‐じん【才人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 知能のすぐれたもの。才能のある人。学問、詩文などにすぐれた人。
    1. [初出の実例]「昔泊瀬朝倉朝廷 詔百済国、訪求才人」(出典:続日本紀‐天平宝字二年(758)四月己巳)
    2. 「殿にも文つくり繁く、博士、さい人どもところ得たり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)
  3. ( 形動 ) 頭の働きが早く抜け目のないこと。また、そのさまや、その人。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  4. 古代中国の女官の一つ。歌舞や文芸をもって後宮に仕えた。
    1. [初出の実例]「唐の則天皇后は太宗の女御にて、才人と云官にゐ給へりしが」(出典:神皇正統記(1339‐43)中)
    2. [その他の文献]〔曹植‐七啓〕

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普及版 字通 「才人」の読み・字形・画数・意味

【才人】さいじん

才ある人。また、後宮の女官の名。唐・杜甫〔江頭に哀しむ〕詩 輦(れんぜん)の才人、弓を帶び 白馬嚼齧(しやくけつ)す金の勒(くつわ) 身を飜(ひるがへ)し天に向ひて、仰いで雲を射る 一正に(おと)す雙飛

字通「才」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の才人の言及

【後宮】より

…その員数や名称は時代によって異なるが,唐制によれば,後宮の人的構成は,内官・宮官・内侍省の3部より成る。内官は妃嬪たちで,妃(正一品)・六儀(正二品)・美人(正三品)・才人(正四品)の4等級に分かれた。宮官は,尚官(総務)・尚儀(礼楽)・尚服(衣服・車馬)・尚食(食膳)・尚寝(住居)・尚功(工芸)の6局に分かれ,正五品以下の女官がこれを分掌した。…

【書会】より

…中国の宋・元時代,都市経済の発達により,大都会の盛場の劇場や寄席では,芝居,講談,漫才,その他の演芸がさかんに演じられたが,それらの芝居や演芸の作者を〈才人〉といい,才人の組織した同業者組合を〈書会〉とよんだ。当時の戯曲小説には,個人の創作ではなく,書会による集団的創作であったものがかなりあり,のちの小説《水滸伝》なども,元来は書会によってまとめられたと考えられる。…

【賤民】より

…(1)白丁 賤民の代名詞であり,屠殺や柳器匠などに従事する被差別民。(2)才人 白丁から分化し,軽業などを業とする大道旅芸人。(3)巫覡(ふげき) 男女のシャーマン(なお〈ムーダン〉の項目参照)。…

【白丁】より

…朝鮮語ではペクチョン。白丁という語は高麗時代には国家の職役についていない一般庶民を指したが,1423年に政府が非農耕民である禾尺(かしやく)(楊水尺)・才人を〈新白丁〉として戸籍に編入したことからしだいに差別語化した。早く分離して軽業などの大道芸人となった才人とともに,白丁は賤民の代表として厳しい迫害をうけた。…

【朝鮮演劇】より

…祭舞,呑刀,吐火などの奇伎や,西域胡人戯,竹馬,処容舞,傀儡戯,百獣舞などの演目である。このような儺戯とともに職業的な才人(ジエイン),広大(クワンデ)らによる雑戯が12世紀の記録にみえている。また功臣を追慕,記念するための演劇や,権勢家の家臣の横暴をあばく風刺劇なども行われたことがうかがえる。…

※「才人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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