デジタル大辞泉 「打上る」の意味・読み・例文・類語 うち‐あが・る【打(ち)上(が)る】 [動ラ五(四)]1 低い所から高い所に上がる。「花火が―・る」2 水中から陸上に上がる。「濤なみは砂浜を洗うて―・った藻草をもみ砕こうとする」〈寅彦・嵐〉3 地位などが高くなる。また、ようすがりっぱになる。「常の仇気無あどけない娘振とは―・って見える」〈風葉・青春〉4 気位が高くなる。上品になる。「言葉俗なりとも心―・りたらんは如何ばかり高尚ならまし」〈子規・獺祭書屋俳話〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「打上る」の意味・読み・例文・類語 うち‐あが・る【打上・打揚】 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙[ 一 ] ( 「うち」は接頭語 )① 低いところから高いところへ行く。勢いよく上る。[初出の実例]「梶原源太景季たかき所にうちあがり」(出典:平家物語(13C前)九)② まわりより高まる。[初出の実例]「此白鶴山はうちあかりて高て涼しき処なる程に」(出典:四河入海(17C前)八)③ 地位、官位などが高くなる。高貴となる。また、様子などがりっぱになる。[初出の実例]「打(ウチ)あがりたる公達に用て究竟一のげいぶり」(出典:評判記・野郎立役舞台大鏡(1687)鈴木作彌)④ 心が高尚になる。気位が高くなる。[初出の実例]「幾度吟じてもおもしろしと、打あがったる歌ばなしなど申出し」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)江戸)⑤ カードを使うゲームで、手札に役ができる。[初出の実例]「もうせんを二十三馬に四きり嶋花は一九で打あがりみゆ」(出典:狂歌・春駒狂歌集)[ 二 ]① 打たれて高いところへ飛ばされる。また、上空めがけて発射される。「花火が打ち上がる」② 水の中から陸へ移る。波によって岸に打ち寄せられる。[初出の実例]「汀(みぎは)にうちあがらむとするところに」(出典:平家物語(13C前)九)③ 歌舞伎で下座の鳴り物の演奏が終わる。→打ち上げる。[初出の実例]「よろしくあって、どうと下に居る。鳴り物打上がる」(出典:歌舞伎・隅田川花御所染(1814)大切) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例