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打(ち)菓子 ウチガシ

デジタル大辞泉の解説

うち‐がし〔‐グワシ〕【打(ち)菓子】

打ち物4

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

打菓子
うちがし

干菓子の一種で打ち物ともいう。葛粉(くずこ)や穀物の粉と砂糖をあわせ、木型に詰めて押し固め、木型の一端を木づちでたたき、慣性を利用して菓子を木型から打ち出す。打菓子の代表である落雁(らくがん)(のちに金花糖や有平糖(あるへいとう)など二枚木型の打菓子もできた)は、室町時代から存在したが、当時は打ち抜く木型も粗末なものであったと思われる。精巧な木型が誕生するのは、江戸時代初期につくられた金沢の落雁「長生殿」からで、江戸中期には紋菓子用の木型をはじめ、松竹梅、桐(きり)、梅鉢、唐松、紅葉(もみじ)、菊、貝、千鳥、観世水(かんぜみず)、鯛(たい)など、多様な木型が出そろった。さらに下って文化・文政(ぶんかぶんせい)年間(1804~30)に入ると、東錦絵(あづまにしきえ)(多色刷り浮世絵版画)の影響を受け、風景や人物を配した豪華で大形な打菓子もつくられた。しかし長くは続かず、明治維新ごろには影を潜めた。世相を反映したものであろう。今日でも、式菓子用に鶴亀(つるかめ)などの大形打菓子があるほか、小形ではあるが、近江(おうみ)八景など名所旧跡を木型にした落雁はつくられている。風雅な打菓子をつくるには、優れた木型彫りとの出会いがたいせつであるが、現在はこうした職人が少ないので、干菓子屋は伝来の木型をだいじに使っている。木型は磨滅の少ない桜材がよく、羽子板のような木型に同型の文様が端正に彫られている。[沢 史生]

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