稲の脱穀用農具。麦や豆類の脱穀にも使った。これには形態、使用法から2種がある。一つは箸状の扱箸で、長さ45~60センチメートルくらいの2本の竹棒、あるいは1本の竹棒を二つに割ったもので、一端を結んで地上に立てて持ち、竹の間に稲穂を挟んで引き扱(こ)く。『会津農書』(1684)には「竹こき」とあり、『農業全書』(1697)には使用図がある。麦や豆類の脱穀に使われるのはこの形のものである。もう一つは短管状の扱箸で、長さ5、6センチメートルくらいの細竹(篠竹(しのだけ)など)2本に藁(わら)を差し込み、折り合わせて手のひらにのせ、親指と人差し指(または中指)で固定して持ち、その間に稲穂を挟んで扱く。これには鉄製のものもあった。扱箸は江戸時代前期に千歯扱(せんばこき)が出現し、しだいにこれに変わっていったが、明治初期までは使われたようである。
[小川直之]
稲の脱穀用具。形態・使用法から2種がある。一つは45~60cmほどの2本の竹棒あるいは1本の竹を二つに割ったもので,一端をしばって地面の上に立ててもち,間に稲穂を挟んで引きしごくもの。「会津農書」には「竹こき」とある。もう一つは5~6cmの細竹を指に固定してもち,間に稲穂を挟んでしごくもの。前者は麦や豆類の脱穀にも使われたが,元禄期以降,千歯扱(せんばこき)が使われるようになり,稲の脱穀にはしだいに使われなくなった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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…千歯扱き以前には,2本の木やタケの棒を片手にもって穂をはさんで,しごくようにして脱穀していた。これを扱箸(こきばし)という。日本のイネはジャポニカ種が中心で脱粒難であるため,インディカ種のような打つ方法ではなく,扱く方法が適している。…
…その後,根刈りとなり脱穀法も変わってきたが,その詳細は不明である。江戸時代には竹製の扱箸(こきはし),稲管が道具として用いられていた。扱箸は,30~45cmの2本の竹棒の一端を結び合わせて地面に立て,2本の間に穂首を挟んで引いて脱穀するもので,稲管は6cmくらいの細い竹管2本を同様に結び,手に持って穂を扱き落とすものである。…
※「扱箸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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