デジタル大辞泉
「抉る」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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えぐ・るゑぐる【抉・刳・剔】
- [ 1 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
- ① 刃物などを物に突き刺して回す。また、突き刺してその部分をくりぬく。
- [初出の実例]「剃刀取りて咽に突き立て、柄も折れよ刃も砕けよとゑぐり」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703)道行)
- ② 鋭い表現などによって、人の心に強い苦痛、動揺、または感動を与える。
- [初出の実例]「由良が一坐が大ぜいで来た。おれをゑぐるちうもんだらふ」(出典:洒落本・通神蔵(1801‐02)一一)
- 「忠臣蔵十二時のしゅかうなんざア見物の腹をゑぐりやしたぢゃアごぜへやせんか」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)
- ③ 物事、事実などの隠れた面を、鋭く追及する。
- [初出の実例]「私立銀行の内幕を剔(ヱグ)った記事」(出典:菊池君(1908)〈石川啄木〉四)
- [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ⇒えぐれる(抉)
くじ・る【抉・挑】
- 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙
- ① 物をつき入れてねじりほじくる。穴を掘る。えぐる。うがつ。〔新訳華厳経音義私記(794)〕
- [初出の実例]「穴をくしり、かいばみまどひあへり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- ② えぐって中から物を抜き取る。
- [初出の実例]「鼻を截り、眼を挑(クシリ)」(出典:岩淵本願経四分律平安初期点(810頃))
- 「食事ごとには手洗ひ、口そそぎ、髪を掻き、爪の垢をくじり、頗る清潔に出で立てども」(出典:仏国風俗問答(1901)〈池辺義象〉清潔を好む風)
抉るの語誌
「くじる」の「じ」は、「書陵部本名義抄」の声点などから、濁音であったことがわかる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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