投弾(読み)とうだん

世界大百科事典 第2版の解説

とうだん【投弾】

武器,狩猟具の一種。石,土(水でこねた粘土を日乾しあるいは焼成),まれには鉛で作った球形卵形紡錘形(直径は長径2~6cm,重さ十数g~百数十g)。これを飛ばすには,帯(スリングsling)か帯付きの杖を用いる。帯は毛糸,皮革植物繊維などしなやかな材料で作り,長さ1m強,中央の幅広く作った座に弾をのせて帯を二重に折り,一端に指掛けのを作り出してある場合は,これに小指を掛け,環がなければ一端を小指と薬指の間に挟み,もう一端は親指と人差指の間に挟む。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

投弾
とうだん

紡錘形をした、長さ5センチメートル、中央の最大径3センチメートル内外の素焼土製品ないしは石製品。紐(ひも)を巻き付けて、振り回して投擲(とうてき)する狩猟用具であり、また武器ともなる。ミクロネシア、メラネシア、ポリネシア方面の広範な地域に分布し、わが国の弥生(やよい)時代の遺跡からも主として土製素焼のものが発見される。西北九州地方に発見例が多いが、南九州、中国、四国、近畿、中部、関東地方などにも出土例があり、土弾子(つちだま)ともよばれた。弥生文化遺跡出土の土製投弾は、最大のもの長さ5.6センチメートル、重さ70グラム、最小のもの長さ3.2センチメートル、重さ5グラム、平均長さ4.2センチメートル、重さ30.6グラムほどである。磨製石製品は西北九州、山口、兵庫、静岡、富山県下などに出土例があり、重量は最大70グラム、平均34.7グラム、最小15グラムと土製品とほぼ近似している。これらは弥生時代に南方から伝播(でんぱ)したものであろうか。[江坂輝彌]
『八幡一郎著『石弾・土弾』(1984・慶友社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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