披露状(読み)ヒロウジョウ

デジタル大辞泉 「披露状」の意味・読み・例文・類語

ひろう‐じょう〔‐ジヤウ〕【披露状】

物事披露するための書状
貴人などへの書状で、敬意を示すため、宛名本人ではなくその側近の者とし、主人への披露を頼む形にしたもの。付け状。

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精選版 日本国語大辞典 「披露状」の意味・読み・例文・類語

ひろう‐じょう‥ジャウ【披露状】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 披露するための書状。
    1. [初出の実例]「文月といふより袖の涼しきは秋たつ風の披露状かも」(出典:狂歌・狂歌乗合船(1730))
  3. 書札礼で、相手方に敬意を表わすために、本人には直接あてないで、その側近に仕える人にあてて書き、主人への披露を頼む形式をとった書状。付状。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「此外有軽重上所、恐惶謹言、充所、家司名、右披露状也」(出典:和簡礼経(1596‐1624頃)一)

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改訂新版 世界大百科事典 「披露状」の意味・わかりやすい解説

披露状 (ひろうじょう)

書札礼(しよさつれい)における書状の一様式。身分のへだたる将軍など貴人に対し,あるいは大名など一国内の絶対者に対し,敬意を表すために書状を直接本人の名あてにせず,その人に近侍する奉行人,用人などにあて,書状の本文内容を取り次ぎ披露することを依頼する形式をとる。文書終末に,〈此等之趣宜預御披露候,恐惶謹言〉また〈以此旨可然様可有御披露候〉などと記す。この文言挙状(こじよう),軍忠状請文(うけぶみ)などにも用いられる。近世初期,大名では父子の間にも用いられるが,後期には用状などがそれに代わり,〈……候条,御序之節ニ奉入御聴置候様存候〉などと変化する。
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