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書札礼 しょさつれい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

書札礼
しょさつれい

書状式文書の様式を規定したもの。文書の差出者と受取者との間の身分の高下により,用語,書体,宛名の書き方などに違いがあるが,それら文書作成上の礼儀や法式を規定している。古くは『公式令』に規定があり,鎌倉時代には『弘安礼節』が定められた。

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デジタル大辞泉の解説

しょさつ‐れい【書札礼】

平安時代以降、書状の書体・形式などに関するきまり。官位家格などによって文言を変えたり、の書き方を異にするなどの心得。弘安8年(1285)の「弘安礼節」で公家様式が確立され、武家でも室町時代に整備された。

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百科事典マイペディアの解説

書札礼【しょさつれい】

故書学用語。書状の形式等に関して規定したもの。文書の差出者と受取者の地位の差異によって,文言や書体・宛名(あてな)の書き方などは異なるが,そうした文書作成上の礼儀や技術を伝えている。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょさつれい【書札礼】

古文書学上の用語。書札および書札様文書を作成するに際して守らなければならない儀礼(書礼)と故実をいい,またそのことについて述べた書物も書札礼と呼んでいる。公式様(くしきよう)文書の状・啓あるいは中国の尺牘(せきとく)に起源を有する書札は,平安時代中・末期から漸次広く行われるようになり,それとともに綸旨(りんじ),院宣,御教書(みぎようしよ)といった書札様文書も成立をみる。このような動きに応じて《雲州消息》が編まれる。

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大辞林 第三版の解説

しょさつれい【書札礼】

書状の形式・文言などに関する礼式。公家の礼式は1285年の「弘安礼節」によって整備され、武家の礼式は室町時代になって完成された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

書札礼
しょさつれい

書状の形式・用語などを規定した礼法式。手紙を取り交わす両者の身分的相違による礼儀を重視しようという考えから生じたもの。公家様(くげよう)と武家様の二様ある。元来は中国の『書儀(しょぎ)』などによっていたが、平安後期には公式様(くしきよう)文書が衰退し、私(し)文書の発達や有職故実(ゆうそくこじつ)学の発展に伴って、『明衡往来(めいごうおうらい)』などの書状の模範例文集がつくられるようになる一方、公家様の書札礼の書も著されてきた。それが確立されたのは1285年(弘安8)に一条家経(いえつね)らによって編まれた『弘安礼節(こうあんれいせつ)』によってである。この書は宮廷関係の礼節を定めたものであったが、書札礼について一項を設け、それが後の書札礼の典拠となった。武家様の書札礼は、公家様から派生したものであり、鎌倉末にはすでにできあがっていたらしい。室町時代になると3代将軍足利義満(あしかがよしみつ)のころに整備され、武家様が書札礼の中心となった。それとともに文章作成を職業とする右筆(ゆうひつ)の力が強くなり、各家がそれぞれの流儀による書札礼を伝授するようになった。初期の『今川了俊(いまがわりょうしゅん)書札礼』や後期の『細川家(ほそかわけ)書札抄』『大館常興(おおだてつねおき)書札抄』『宗五大草紙(そうごおおぞうし)』などが代表的なものである。以後、武家様の書札礼は地方に波及し、戦国大名諸家もそれを受容し、自らの書札礼を定めていった。織豊(しょくほう)政権下でも同様で、多少の改変はあったが維持され、江戸幕府も徳川家康が慶長(けいちょう)年間(1596~1615)に永井直勝(なおかつ)に命じて制定させたものが江戸時代を通じて行われた。[海老澤美基]
『小松茂美著『手紙の歴史』(岩波新書)』

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世界大百科事典内の書札礼の言及

【寛文印知】より

…綱吉は84年(貞享1)徳川家1代のみの朱印状所持の小寺社を含めて継目安堵(つぎめあんど)を行い,大名・公家・寺社総数4878通の判物・朱印状を発給し,吉宗以後の将軍もこれに倣った。寛文印知は領知判物・朱印状・目録の文書様式と書札礼を確立したことでも画期的で,発行の形式や手続が整備され,以後の模範とされた。寛文印知の全判物・朱印状・目録の写本を翻刻したものに国立史料館編《寛文朱印留》上下がある。…

【弘安礼節】より

…1285年(弘安8)に亀山院の評定において一条内経らによって定められた公家の礼節に関する規式。内容は,大きくいって書札礼,院中礼,路頭礼の三つからなるが,古文書学上重要なのは書札礼である。亀山院政に先立つ後嵯峨院政は,中世的公家政治体制が確立された時期であるが,また書札様文書である院宣(さらに綸旨(りんじ)も)が政治文書として市民権を得た時期でもある。…

【古文書学】より

…これらは,この時代新たに成立した令外様文書に関する解説書といえる。院政の成立,ことに鎌倉中期以降本格的な院政が行われるようになると,院宣・綸旨といった書札様文書が国政の最高の文書となり,それにともなって書札礼が成立する。書札礼とは書札を調える際に守るべき形式,用語,用字などに関する礼式の総体のことで,これに関する書物も書札礼と呼んでいる。…

【手紙】より

…多岐にわたる用件は整理して,一つ書き(個条書き)にすることが普通となる。
[書札礼]
 書信は儀礼上,機密保持上,自筆が本来であるが,公文作成に堪能な能筆家,書札礼を心得た書家,物書き,右筆らが,武事多忙や運筆不得手の戦国大名らに雇われ,文案の作成,代筆,清書などに職能化した。自署のみは本人が行ったが,それも江戸中期以降は事務的な木印にて塡墨をするようになり,本人の関与は,立ち会うのみなのか判然としないほどになった。…

【奉書】より

… 書札様文書においては,信書の内容の秘密保持を目的とする封式を施すこと,さらにみずからを謙遜し,相手に敬意を表する礼的表現を採用する点においても,公式様文書,下文様文書とは著しく異なるところである。この書札の礼的表現の政治的統一をはかったのが,いわゆる書札礼(しよさつれい)である。書札礼は,執達文言の表現(執達,執啓,啓上,言上等),差出書(官,位,氏,姓,名をどれだけ書くか),上所(謹上,謹々上,進上)および脇付等の表現によって,礼の厚薄を示すが,さらに奉書か直状(じきじよう)(直書)かも礼の問題と密接な関係にある。…

※「書札礼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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