振替制度(読み)ふりかえせいど

改訂新版 世界大百科事典 「振替制度」の意味・わかりやすい解説

振替制度 (ふりかえせいど)

現金の授受によらず,預金者の振替指図する依頼書または小切手によって,銀行が支払指定口座から入金指定口座へ帳簿上の付替を行い決済する制度。この制度を利用したものに口座振替制度があり,公共料金の支払(電気料金,ガス料金,水道料金,電話料金,NHK受信料等),クレジット・カードの支払,税金納付,授業料の支払など,預金による支払機能の一つとして著しい発達をとげている。この振替制度の歴史は古く,17世紀以降しだいに盛んになった。しかし,ドイツの振替制度Giroverkehrが小切手を用いず,特別の振替指図書によって行われるのに対し,イギリスにおける振替はおもに小切手checkによって行われる点が異なっている。なお,日本においては1906年に郵便振替貯金制度が導入された。
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百科事典マイペディア 「振替制度」の意味・わかりやすい解説

振替制度【ふりかえせいど】

通貨による決済に代わり,取引銀行の預金口座移転を行い帳簿上のみで債権債務を決済する仕組み。現在日本では普通銀行の預金振替,郵便局の扱う郵便振替日本銀行の当座勘定交換尻決済の振替がある。歴史的にはヨーロッパ,なかでもドイツで17世紀以降発達,小切手を使用せず振替証書で預金口座の付け替えを行っており,英国米国では小切手で振替をした。日本にこの制度が導入されたのは1906年,郵便振替が初めである。
→関連項目振替預金

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「振替制度」の意味・わかりやすい解説

振替制度
ふりかえせいど
Girosystem

通貨による支払いに代えて振替証書を利用し,銀行預金などの帳簿上の振替によって支払決済を行う制度。この制度では預金の振替は支払人の指図によって直接行われ,ヨーロッパ大陸,特にドイツ,オーストリアで古くから発達した。イギリス,アメリカに発達した小切手制度に比べて,預金の振替は小切手の移動を伴わずより直接的に行うことができる。日本ではこの種の振替制度は存在しないが,類似したものとして普通銀行の当座預金口座間の振替,日本銀行当座勘定による交換尻,内国為替尻の決済のための付替 (つけかえ) ,郵便振替貯金などがある。

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投資信託の用語集 「振替制度」の解説

振替制度


受益証券や株券等の有価証券の存在を前提として行われてきた株主や受益者等の権利の管理(発生、移転及び消滅)を電子的に行う制度のこと。現在ではペーパーレス化が実現されており、実際の管理は(株)証券保管振替機構や証券会社等の電子的な振替口座簿で行われている。J-REITの投資口やETF受益権は株券等振替制度、その他の投資信託受益権については投資信託振替制度にそれぞれ基づいている。

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