触れる(読み)フレル

デジタル大辞泉 「触れる」の意味・読み・例文・類語

ふ・れる【触れる】

[動ラ下一][文]ふ・る[ラ下二]
1
㋐ある物が他の物に、瞬間的に、または軽くくっつく。ちょっとさわる。「肩に―・れる」「機雷に―・れる」「外の空気に―・れる」
㋑脈が反応する。脈拍を指先に感じる。「脈が―・れなくなる」
㋒(「耳(目)にふれる」の形で)ちょっと耳にしたり見たりする。「人の目に―・れる」「耳に―・れるうわさの数々」
㋓あることを話題にする。言及する。「食料問題に―・れる」「核心に―・れる」
㋔ある時期や物事に出あう。「折に―・れて訪れる」「事に―・れてからかわれる」
㋕規則・法律などに反する。抵触する。「学則に―・れる」「法に―・れる」
㋖怒りなどの感情を身に受ける。「勘気に―・れる」「怒りに―・れる」
㋗感動・感銘を受ける。「心の琴線に―・れる」「心に―・れる話」
2
㋐物に軽くくっつくようにする。「髪の毛に手を―・れる」「花に手を―・れる」
㋑広く人々に知らせる。「隣近所に―・れて回る」
3 食べ物にちょっと手を付ける。
「朝餉あさがれひのけしきばかり―・れさせ給ひて」〈源・桐壺〉
→触さわる[用法]
[類語](1㋐)触さわる・接する・着く・くっつく・ひっつく・へばりつく・こびりつく・付ける・吸い付く・焼き付く・焦げ付く・吸着・当たる・擦かする・触れ合う・接触する・触接する・タッチする/(1㋓)伝える・言及する・論及する・述べる・論述・叙述・記述・口述・陳述・詳述・前述・後述・上述・先述・略述・縷述るじゅつ・屡述るじゅつ・既述・叙説・述懐・詳説・詳論・開陳/(2㋑)知らせる・告げる・伝える・宣する・知らす・言い送る・申し送る・申し伝える・申し越す・申し渡す・言い渡す・達する・伝達する・通知する・連絡する・通告する・通達する・下達する・令達する・口達する・通ずる・コミュニケートする・取り次ぐ・伝言する・話す

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精選版 日本国語大辞典 「触れる」の意味・読み・例文・類語

ふ・れる【触】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ふ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
    1. ① ほんのちょっとさわる。瞬間的に接する。軽く当たる。
      1. [初出の実例]「鶯の来鳴く山吹うたがたも君が手敷礼(フレ)ず花散らめやも」(出典:万葉集(8C後)一七・三九六八)
      2. 「湯浅は、桃枝の指一本、触れたことがなかった」(出典:巷談本牧亭(1964)〈安藤鶴夫〉会いろいろ)
    2. ② ( 多く、「肌ふる」の形で ) 男女が馴れ親しむ。睦(むつ)み合う。
      1. [初出の実例]「馬柵(うませ)越し麦食む駒のはつはつに新膚布礼(フレ)し児ろしかなしも」(出典:万葉集(8C後)一四・三五三七・或本歌)
    3. ③ 手や箸をつける。ちょっと食べようとする。
      1. [初出の実例]「ものなども聞こし召さず、朝餉(あさがれひ)のけしきばかりふれさせ給て」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
    4. ④ 自然に目や耳にはいる。
      1. [初出の実例]「一たびも耳に逕(フルレ)ば、悉く能く一切の諸の悪、無間の罪業を除滅す」(出典:大般涅槃経治安四年点(1024)八)
    5. ⑤ あることを話題にする。言及する。
      1. [初出の実例]「結局は日本語の成立問題に迄も多少は触れない訳には行かなくなるのである」(出典:比較言語学に於ける統計的研究法の可能性に就て(1928)〈寺田寅彦〉)
    6. ⑥ 抽象的なものにかかわり合う。ある物事、ある時などに遭遇する。「核心に触れる」
      1. [初出の実例]「かの家に事にふれてひぐらしといふ事なん侍りける」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑二・一一二七・詞書)
      2. 「温かい心に触れて、それを、温かいと感じること」(出典:古い玩具(1924)〈岸田国士〉第二場)
    7. ⑦ かかわりあいをもって差し障る。抵触する。
      1. [初出の実例]「此書初編は文化巳の年の肇春祝融氏の怒りに触(フレ)て板面ことごとく烏有となりぬ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ふ・る 〘 他動詞 ラ行下二段活用 〙 広く告げる。告げ知らせる。吹聴する。
    1. [初出の実例]「仍て国司等に経(フレ)て諸の軍を差し発して」(出典:日本書紀(720)天武元年六月(北野本訓))

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