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触る サワル

デジタル大辞泉の解説

さわ・る〔さはる〕【触る】

[動ラ五(四)]《「障る」の意から派生》
手などをそのものに軽くつける。また、何かが身体にふれて、そのものの存在が感覚的にわかる。「汚い手で―・るな」「ひんやりとしたものが顔に―・った」
(近づいて)かかわりを持つ。関係する。「とかくの噂(うわさ)があるので彼には―・らないほうがいい」「政治的な問題には―・らないでおく」
(「障る」とも書く)感情を害する。「神経に―・る」「癇(かん)に―・る」
[可能]さわれる
[用法]さわる・ふれる――「額(ひたい)にさわる(ふれる)とひどく熱かった」「宝石にそっとさわる(ふれる)」のように、人と人、人と固体・液体とが接触する場合は相通じて用いられる。◇人が気体などに接触する場合や、物と物とが接触する場合にも「ふれる」を使って「冷気にふれて震えあがった」「高圧電流にふれて感電死する」「風で枝が壁にふれる」などという。◇接触の程度は「ふれる」の方が軽い感じである。「手でさわる」は手を押し付け、動かしてみるさまを、「手をふれる」は対象の表面にそっと手を接触させるさまをいう。◇「着物の裾(すそ)が床にさわる」「棒でさわってみる」などは、「裾」「棒」を人体の延長ととらえての言い方である。

ふ・る【触る】

[動ラ四]物にさわる。ちょっと接触する。
「下泣きにわが泣く妻を今夜(こぞ)こそは安く肌―・れ」〈・下・歌謡〉
[動ラ下二]ふ(触)れる」の文語形

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大辞林 第三版の解説

さわる【触る】

( 動五[四] )
〔「障る」と同源〕
接触する。
人が手などで物体や人体に意図的に接触する。ふれる。 「展示品には-・らないでください」
物体が当たる。 「何か動く物が足に-・った」 「棹に-・るは桂なるらし/土左」
かかわりをもつ。 「だれも-・りたがらない問題」
さわる(障) 」に同じ。 「神経に-・る」
宴会での杯のやりとりの作法の一。相手が注ごうとするのを抑えて、酒を注ぎ返す。 「盃のくるたびたびにちと押さへましよ、是非-・りますと/浮世草子・一代女 5」 → 触れる(補説欄)
[可能] さわれる
[表記] さわる(触・障)
「触る」は“ふれる。かかわり合う”の意。仮名で書くことが多い。「そっと手で作品に触る」「触らぬ神に祟たたりなし」  「障る」は“害になる。不快になる”の意。「徹夜は体に障る」「気に障る言い方」「癪しやくに障る」

ふる【触る】

( 動四 )
「触れる」に同じ。 「下泣きに我が泣く妻を昨夜こぞこそは安く肌-・れ/古事記 」 〔下二段活用動詞「触る」の古い活用形〕
( 動下二 )
ふれる

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

触る
さわる

触ることの意味

 人間の歴史は、触ることから始まる。ドイツの哲学者ノワレL. Noir(1829―1889)が、手のすべての最初の活動と創造とは、まさに物に触る努力より以外のものではありえなかったと述べているように、物を知りとる器官としての手は、人類の歩みのなかで多くのものを創造してきた。ある物にどんな加工を施すにしても、それは同時に、その物の自然の性質や性状をまず知らなければならない。手は、それらを知ろうとせずにはおかないのである。
 創造する手には微妙な運動をする指があり、それぞれの指は非常に敏感な感覚受容器を備えているので、手で物に触ったり、物を握ったりしたときには、それぞれの指から同時に、しかも正確な情報を得ることができる。したがってそれらの情報に即応した微妙な手の運動が出てくる。イギリスの解剖学者ベルがいっているように、手が総合的な働きをするために、手のもっている特有の触覚器官の感受性と、腕、手、指の運動とは実に巧みに結合しているのである。「触(さわ)る」ということは自発的、能動的な行為であり、「触(ふ)れる」ということは受動的な行為である。触る行為は、主として手掌で行われる。これは手掌が手背よりも鋭敏な感受性をもっているからである。[内田 謙]

触る感覚

 触る感覚は皮膚感覚である。感覚の母ともよばれる皮膚感覚は、胎児期の最初に発達する。皮膚感覚は、視覚などの他の感覚に比べて、局所的ではなく身体全体に行き渡っており、皮膚のあらゆる部分に広がっている。しかも人間の場合には、とくに発達している部位は指先と口唇である。人間は、母胎から外界に出て最初に現実を認識するのは、この口唇を通しての皮膚(接触)感覚からである。誕生したばかりの新生児は、指先や手掌を用いて外界の現実を知るようになるまで、口唇によって物の形や物の温度などを認識していくのである。[内田 謙]
皮膚の感覚受容器
皮膚は、身体の外形を保持したり、体温を調節したり、また体内に吸収された栄養分の貯蔵庫としての機能をもつなど、身体にとって有効な防具の働きをももつ。それと同時に、皮下に多くの感覚受容器を備えて、外界との情報の伝達媒体の役割をもっている。つまり皮膚には触覚、痛覚、温覚および冷覚があって、これらの感覚を受容する。
 触の感覚は、皮膚の表面にひずみをおこしたときに生じる圧の感覚の弱いものとされている。われわれが皮膚を通じて感じる感覚は、目や耳などの感覚器に比べて、皮膚の感覚を生じさせる受容器がさだかでないために、体験としてとらえることが多い。これまでの研究において、皮膚感覚のうち、温度感覚を除き、深部感覚を含めて、皮膚の上から刺激を加えた際に生じる感じのおもなものの相互関係を、ピラミッドに配置して表現した試みがある。
 皮膚の感覚受容器は、皮膚の面の異なる場所に点在(これを感覚点という)していて、たとえば手背を例にとると、痛みを感じる点は1平方センチメートルのなかに平均して1.3個、触(圧)を感じる点は1平方センチメートルのなかに25個、冷たいと感じる点は6~23個、温かいと感じる点は0~3個ほど点在している。これらの点の分布は、皮膚の部位や発達の程度によって異なる。
 物を知りとる器官としての手は、これらの感覚と同時に、筋(きん)、腱(けん)や関節のなかにある深部感覚と共同して、手に握った物の形や大きさ、触った物の硬さや軟らかさを感じとることができる。手掌には神経終末装置を多く含んだ触覚小球があり、触る感覚は鋭敏になっている。
 手の皮膚で触刺激にもっとも敏感な受容器はパチニ小体とよばれる受容器で、皮膚が1マイクロメートルくぼんでも神経パルスを発生するといわれる。この受容器は手と足に多くみられ、身体の他の部位にはほとんど存在しない。皮膚上で二つの点を2点として弁別できる最短距離を触二点閾(いき)とよんでいるが、もっとも鋭敏な部位は舌端であり、1ミリメートルの隔たりを弁別でき、指先の掌側面では2ミリメートル、指の背側面では7ミリメートルの隔りを2点として弁別することができる。これに対して、大腿(だいたい)部や上腕部では、60ミリメートル以上も離されなければ、二つの点として感じることができないほど鈍感である。[内田 謙]
皮膚の紋理
手掌の皮膚(足の裏の皮膚も同様)は、他の部位の皮膚とは異なり、毛髪が生えていない、色素に乏しい、脂腺(しせん)が欠けているなどの特徴があげられるが、さらに他の部位の皮膚にみられない特徴は、指紋や掌紋とよばれる紋理が存在することである。
 皮膚の表面には、細長い高まり(皮膚小稜(しょうりょう)または皮膚隆線)があり、その高まりの間には細長い溝(皮膚小溝)が平行して走っている。これが紋理である。皮膚小稜の働きは、触覚を鋭敏にすること、および手で物を握ったときに滑らないようにするためである。[内田 謙]
指紋の働き
指の末節の掌側面は、その内部に脂肪組織を含んで皮膚の高まりがみられ、触覚小球を形成しているが、この触覚小球のところではとくに複雑な形を示している。これを指紋とよんでいる。触覚小球は、指の付け根の部分(中手指節関節の掌側面)や、母指球、小指球の皮膚にもみられる。これらの触覚小球は、その内部に触刺激に鋭敏なパチニ小体を多く含んでいるため、触る感覚に大きな働きをしているのである。[内田 謙]
微妙な触現象
われわれの触の世界には、たとえば手が冷たい、手に何かが触れたという、自己の身体に関する体験と、つかんだ物が硬いとか、重いとかという外界に関する体験とがある。自分の顔をなでるときの手の運動は前者であり、その際、なでられるほうの顔は後者の側面を備えている。この現象を触現象とよんでいる。この触の世界に関する研究は数多く行われているが、その一つに表面触がある。
 これは、「これが物体の表面である」という触体験であり、指先などで物をなでるとき、その物体が布であるとか、紙とか金属とかなどと具体的にその物を区別することができる。表面触は指先の感覚である。他の身体部位では指先ほどに表面触は敏感ではない。たとえば、上肢のそれぞれの部位で物の粗さを弁別できる閾値をみると、指先では0.01ミリメートルの粗さを見分けることができるのに比べて、上腕では0.4ミリメートル以上の盛り上がりがないと弁別することがむずかしい。[内田 謙]

触る感覚と脳

 いままで述べたように、手で触った物が何であるかを判断して、その判断に基づいて行動をおこす機構はどのようになっているのか、紙コップを握る動作を例にして考えてみよう。[内田 謙]
対象への適度な反応
日常われわれは無雑作に紙コップを握っているが、握りの強さを無意識のうちに調節している。もしその物体を強く握りしめると、つぶれてしまうようなとき、その加減の程度を判断するような精神作業を営むのが、脳つまり神経系である。[内田 謙]
大脳の体性感覚野
大脳は情報処理の機能をもっている。この機能は、知覚、記憶、判断、行動指令に要約することができる。われわれは過去に体験(知覚を通して)したさまざまの事柄を記憶として蓄積し、必要に応じて記憶のなかから当面する事柄を引き出して、照合し判断して行動している。触った、押された、痛い、熱い、冷たいなどの情報は、皮膚にある受容器を経て、大脳のなかにある体性感覚野に送られる。体性感覚野は大脳の中心溝の後ろにあって、広い領域を占めている。そのように、大脳における体性感覚野では、とくに手指と口唇の占める割合が大きい。
 手指は身体のなかでは小さな器官であるにもかかわらず、大脳における身体各部位の感覚野のなかで大きなウェイトを占めていることからも、手指がいかに重要な役割を果たしているかが理解できよう。指先や口唇などのように皮膚感覚が鋭敏な部位ほど、体性感覚野に占める面積が大きいといえる。また体性感覚野の前側には中心溝を境にして、運動野とよばれる部位があって、筋などに行動指令を出す役割を果たしている。[内田 謙]
小脳の比較測定器
たとえば、紙コップの場合、まず目で見て、その材質が紙でつくられていることが認識されるが、どの程度の強さで握ったらつぶれてしまうのかは、手で触り、あるいは握ってみなければわからない。物体の硬さや軟らかさの識別は、主として痛覚および触覚に基づくものである。また手に握られた物体の形や大きさは、指先の触覚と筋や腱、関節にある深部感覚とによって識別される。
 コップを握ったとき、これらの感覚受容器を通して感覚信号が体性感覚野に送られる。そして蓄積された記憶のなかから情報を引き出し(前述の視覚による識別も当然このような過程を経ている。ここでは過去に強く握り締めてつぶしてしまった経験をもつ)、現在入ってきた情報と記憶情報を照合したうえで判断が行われ、運動野を通して行動指令が出される。
 握るという動作は筋の収縮によって行われるが、その際、筋収縮の速度と力を、意図するとおりに調整しているのが小脳である。つまり大脳の運動野から筋に出される情報は、同時に小脳にも伝えられる。筋の収縮運動は、深部感覚や皮膚感覚の受容器から神経パルスを発し、小脳にも伝えられる。小脳は、大脳皮質の意図する動作と実際に行われている動作とを両方の情報から比較する。そして実際に行われている動作が、大脳皮質の行動指令と異なっていて修正を必要とする場合には、種々の核の活動を増加させたり低下させたりして、筋収縮の速度と強さを意図どおりに調整する役割をしている。
 紙コップをつかむ場合に、力を入れすぎてつぶれてしまうような指示が小脳に送られるとすれば、小脳は、握り締める力を緩めなさいという信号を送って、紙コップがつぶれたり落ちたりしないように働いているのである。つまり小脳は、自動制御機構における比較測定器の役割をしている。[内田 謙]

視覚を代行する触覚

 人間が外界から受容する情報のほぼ80%は視覚、つまり目を通して受容される。聴覚がこれに次ぎ、触覚による情報の受容はもっとも少ないといわれる。視覚による情報受容のおもなものは、(1)形状、(2)立体感、(3)色彩、(4)明暗、(5)材質感などの認知である。また一方、感覚代行としては、(1)歩行補助、(2)読書、(3)食事・対談などの補助があげられる。
 一般にある感覚を他の感覚で代行させようとする場合、〔1〕情報受容能力、〔2〕認知速度、〔3〕概念形成の三つの問題があげられている。
 〔1〕の情報受容能力を単位時間に受容できる情報量でみると、視覚はほぼ106ビット/秒、聴覚は104ビット/秒、触覚は102ビット/秒である。
 〔2〕の刺激の発生から知覚領における受理・認知までの認知速度は、触覚がもっとも安定しており、聴覚がこれに次ぎ、視覚がもっとも不安定で、聴・触覚に比べて平均30ミリ秒ほど遅いことが確かめられている。
 〔3〕の概念形成は、視覚喪失の時期がいつであるかによって、たとえば立体視の概念をもちうるか否かの問題である。
 以上のような諸特性を考慮に入れて、どの感覚に代行させるかが検討される。
 今日、触覚による視覚代行がもっとも普及している。点字などはその例である。前述のように手指の指腹面の二点弁別閾は非常に鋭敏であるために、感覚代行の一つとして利用されている。しかし指先は労働によって容易に角化し、このため二点弁別閾が大きくなって、伝達情報量が小さくなる。
 このほかに触覚による代行には、歩行補助のための杖(つえ)がある。杖から超音波を発振させてその反射を触覚によって伝達させる仕組みのものもある。[内田 謙]

触ることと人間の本性

 触るという感覚は人間の「生」に深くかかわっている。人間には男女の両性があり、その相互の身体的接触の欲求が、人間の「生」の営みの一つの基盤となっている。また、すべての人間にとって、母の胎内は最初の身体を包む環境であり、この身体に埋められた接触の記憶は、生涯にわたって生き残り、人間行動の大きな基盤となっている。
 人間はその幼児期において、母親に抱かれたり愛撫(あいぶ)されたりして、接触感覚のなかで他人を愛することを学習していく。つまり、人生の初めに、愛撫され、抱き締められ、触れられて慰められることは、小児の肉体のさまざまな部位をリビドー化し、健全な肉体像と肉体的自我を形成することに役だち、母親と子供との間の絆(きずな)を強固にすることによって、対象愛の発達を促しているのである。不十分な皮膚刺激しか受けなかった子供に生じる問題は、人間としての統一のとれた発達の欠如であり、愛されているという事実のコミュニケーションの失敗であるとさえいわれている。
 このように、人間は「触る」世界のなかにあって、ひとりひとりの接触を基本とする行為のなかで、それぞれの欲求のぶつかり合いによって人間関係を形づくっているのである。触る感覚を呼びおこす皮膚は、わずか1ミリメートルほどの厚さの薄い膜であるが、人間の日常生活のなかで、人間の本性そのものを表現する膜となって、人間同士がお互いに「生」を確かめ合うものとなっている。
 触って物を知りとったりする皮膚は、人間の誕生の瞬間から基本的な意味が賦与されている感覚として、人間行動の発達の基礎となっており、刺激としての触るなまの感覚は、身体の維持にとって不可欠なものとなっている。[内田 謙]

触ることとその技術

 人間は、自己のもつ機能を外界に投影して道具をつくり、その道具を用いて文化を築き上げてきた。われわれの身体のなかでもっともよく働く部位は手であり、触る行動の多くは手を通してである。「理性動物としての人間を特徴づけているのは手であり、指および指先の構造と機能にある」といわれるが、人間の手の働きは多様である。手ぶりによる表現の機能、口へ食物を運ぶ手の働き、身体を清潔にしたり、体温調節を図ったりするための手の働きなど、日常生活のなかで手は実にいろいろな働きをしている。[内田 謙]
手の働きの4分類
先史人類とその道具に探究の歩を進め、手と道具の関係について、とくに手の「握り」と道具の「握り」について研究の糸口を開拓したドイツの学者ヘーリヒFriedrich Herigは、手の動作と道具の系統的分類を行っているなかで、手の働きを、(1)つかむ手、(2)保つ手、(3)形づくる手、(4)探る手に分類している。とくに探る手として「触る」と「感じる」の二つの要素をあげ、「触る」と「感じる」、つまり探る手はあらゆる作業にきわめて大きな役割をもっていると述べている。[内田 謙]
探る手
前に触れたように、物体の硬さや軟らかさを識別したり、手に握られた物体の形や大きさを認識したり、またそれらの物体の熱さや冷たさを感じたりする感覚は、探る手にほかならない。つまりわれわれ人間は、こうした皮膚感覚や深部感覚を通して、物の硬さ・軟らかさ、物の表面の粗さ・滑らかさ、重さ、物の温度など、物体の性質に関する量を測定しているのである。
 しかし、人間が識別したり感じる知覚的強度はかなり主観的なものであり、その定量化にはある限界をもっている。皮膚感覚に限らず人間の感覚は、質、強さ、広がり、持続の四つの属性をもっている。これらの属性の混在の仕方や、感覚にさまざまの相違を生じることによって、物の性質に関する量を測っているのである。しかし、強さや持続時間や空間的広がりなどの知覚的強度は、ある程度までになると、各人各様の感じになってしまうものが多く、定量化の大きな条件である再現性を欠くことになるわけである。
 人間の感覚機能を外化(がいか)した道具の一つに天秤(てんびん)がある。ヘーリヒは、秤(はかり)は手の働きを外化した感知装置であろうといっているが、金属や貴重な材料の取引のために重さの標準を決める必要から天秤が用いられた記録が紀元前2000年のエジプトの壁画に残されている。つまり天秤(棒)は二つの手から成り立っていて、それが両方の重量の相違を確定する感知装置として用いられていたことを示すものである。このほか感知装置としては自記寒暖計や水圧計、水位計、ガス圧力計などがある。[内田 謙]
手触り
また手触(てざわ)りということばがある。われわれは、物体が確かなものであるか否かを手にとって確認し、手ごたえがあるかどうかは手触りで決める。布地などの品定めをするのに手触りで確認する。これは、手の指先に、微妙な滑らかさや粗さを弁別できる能力が備わっていることや、布などで包まれた物体を手指で持ったときの厚みを感じる空間触などの触現象が働いて確かめられるのである。
 医師が触診の際に患部の上に手を添えて、その手の上をたたいて症状を知る動作は、空間触を利用したものである。このように触知機能を外化した道具には、実際に滑りゲージや厚さ測定器、孔ゲージやねじ山ゲージなどのゲージ類がある。[内田 謙]
人工の手
今日のような顕著な技術の進展は、人間のもつ機能や構造をシミュレートして、人間の働きに勝る機械類を生み出しているが、人工の手もその一つである。現在、産業用として多くのロボットが工場の中で稼動しているが、その多くは手の機能をシミュレートしてつくられたものである。とはいえ、人間の手がもっている融通性や適応性には比べられないほど幼稚なものであり、おそらく人間の手を機械に置き換え、人工の手として実現することは、現代の技術では不可能に近いといわれている。しかし、指に触覚をもっていて、柔らかい紙コップをつぶすことなくつかむことができる人工の手WABOT-1が開発されていることも事実である。[内田 謙]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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